第五十五話  ドジな話 

先週ですが、56フィートのカタマランにジェネカーファーラーを設置し、たまたま微風で風向きも後ろからでしたので、これは都合が良いと、最初のセッティング時にセールを巻き取る為にセールを上げるのは良かったのですが、シートをクリートにかけて持っていたのが、突然ブローが入って、セールがあおられました。そこで、シートがすごい力とスピードで、握った手の中を擦り抜けて、手を離した時は既に遅し。手に摩擦のやけどを負ってしまいました。写真を撮って、このTALKで紹介しようなんて考えていましたが、写真撮るどころでは無くなってしまいました。残念。

手袋は常識。でも、つい。さっと離せば良かったものの、つい一旦は握ってしまいました。止めようなんて、一瞬でも思ったのが大間違い。全くドジな話であります。お陰で、今は片手の生活。でも、きれいどころのナースが揃った病院で、手厚く治療をしてもらい、悪い事ばかりじゃない。まあ、こんな事もあります。考えてみれば、56フィートですから、ジェネカーもでかかった。微風で、ついつい油断してしまいました。これもまた勉強になりました。

きっと心に油断があったのでしょう。そういう時に警告を受けますね。油断大敵であります。皆さんはそういう事は無いでしょうが。特に大きなヨットには注意が必要ですね。

ちょっと昔ですが、53フィートのヨットの時は、ジェノアが風であおられて、シートがムチのように、足を打ちつけた事があります。これの痛かった事。足に巻きつかなくて良かった。

また、大きなスピン生地でできた、ちょっと風変わりなカイト(凧)がありまして、ヨットからその凧をあげたのは良いのですが、海にポチャン。それを逃してはならないと、必死にロープを捕まえて、クリートに取りあえずかけたのは良いのですが、やはり、その時も軽い火傷してしまいました。

セーリングに夢中になっていた時、調子に乗って乗り上げてしまったり、砂地でしたので、助かりましたが。やはり、長い間にはいろいろあります。レースで、たまたまスピンスタートだった時、ちゃんと準備したつもりが、上げたら、セールがねじれていたり。

結構注意しているつもりが、多くのドジを踏んできました。ひとつひとつが勉強でありますね。小さなヨットでは何でも無い事が、大きなヨットでは力のかかり方とかは雲泥の差であります。うまく行っている時は大きなヨットでも楽ですが、何かありますと、大きなヨットでは尚更要注意であります。ご用心。

用心し過ぎて、面白さを失うのも困りますが、無用心もいけません。何事もバランスでしょうか。ドジも勉強のうち、全くドジを踏んだ事が無いという方もおられないと思いますが、そういう経験も無駄では無い。という事にしておきましょうか。

  この有様です。情けない。
  わざわざ写真を載せる事も無いのですが、
  ドジの記念です。
  ドジを踏んでも、全部被害は小さかった。
  運がある。そう思う事にします。

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