第七十話 艤装

艤装を考えるのも楽しいもんですね。プロダクション艇はだいたい決まっていますが、それでも、いくらかの余裕はあります。実際に操船する状況を想像しながら、ああでも無い、こうでも無い。

まずはメインセールをあげます。シングルなら、舵から離れますが、オートパイロットを使うか?それもひとつの方法です。ティーラーをショックコードで固定するか?ちょっとぐらいなら真っ直ぐ走るか?できるだけ短い時間で、さっとメインを上げる。最近では大抵レージージャック付きが多いですから、バテンが引っかからないように、それも要領を得て、さっとあげます。

スライダーの滑りが悪いなら、ストロングトラックはお奨めです。これは前に紹介しました。次はジブを引き出す。これは簡単。何の問題も無いでしょう。それで、セーリングに入ります。舵を持ったまま、ジブシートのコントロールはどうなってるか、手が届くか?メインシートはどうか?これに手が届いて、片手で操作できるなら、何の問題もありません。

通常のジェノアはシートが風下ウィンチですから、ちょっと操作がやりにくい時があります。特に強風時で大きくヒールしている時なんかは、風下側のシート操作はやりにくい。でも、仕方無いですね、こればかりは。メインシートはどうでしょうか?これも遠いなら操作しにくくなりますが、コクピットにあるなら、やり易い。やっぱりこういうヨットはシングル向きとは言えません。が何とかしなくちゃ。
それでやはりオートパイロットに頼ります。でも、強風時はパワフルな奴をつけないとパワー不足で使えないこともあります。

通常のヨットで、セーリングを楽しむ場合は、やはりジェノアトラックのリードブロックの前後移動操作をした方が、より面白くなります。ですから、そういう艤装を設置しましょう。風の具合によって、リードブロックを調整する事で、より良いセーリングを楽しめます。デイセーラーはセルフタッキングですから、そんなのは不要です。

こういう事を考えますと、通常のヨットで、セーリングを楽しもうという場合は、やはりもう一人、何とか相棒を見つけた方が良いです。艤装のひとつといえるかもしれない。失礼な言い方ですが。それで、デイセーラーはそういう人は不要です。ゲストで良い。シングルで良いという事になります。

次にセーリングを演出してくれる計器。これも設置すると面白い。
  

左から風向風速計、ボートスピード、デプス計です。風向風速計があれば、マストトップのウィンデックスを見上げて、首が痛くなる事も無いし、正確に解りますし、それにスピード計と連動して、真の風、見かけの風も解ります。デプスは座礁に気をつける為、浅いところに行きますと注意、アラーム設定もできます。スピード計は励みにもなります。
 

左はスピードとデプスの両方を表示します。右は風向の上り角度分を拡大したもので、よりシビアーなステアリングをする際には良い。以上はRaymarine社のST60+シリーズ。

  これは新商品で、ひとつの表示に全て切り替え
  表示されるものです。ST70です。








こんな艤装も面白さの演出になります。

  今やこんなのだってあります。ひとつの画面
  にGPS,風向風速、スピード、デプス、全部
  表示できる。おまけに、DVDだって接続でき
  ちゃうんです。Raymarine マルチファンク
  ションテディスプレー。

  こんな演出を考えても楽しいんじゃないでし
  ょうか?








後は、ダウンウィンド。これがいつも出てきます。ジェネカーかジブブームか。ジブブームは全く問題ない。しかし、限られたヨットにしかついていない。ならば、ジェネカーを、という事で、ファーリングジェネカーをお奨めしています。ROLLGENです。

一般のクルージング艇、メインシートトラベラーがコクピットに無く、キャビンの上なんかにある艇ですが、こういうヨットをシングルで、セーリングを楽しもうと考えた場合、どうしてもオートパイロットに頼る事になります。それですと、舵は機械任せになります。できれば、相棒をひとり見つけたいものです。それに、ジェノアシートのウィンチ操作もありますし。クルージングならオートパイロット任せでも構わない。しかし、セーリングなら、相棒を。

デイセーラーは、この点、シングルでもOKなのです。

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