第七十七話 成功と失敗

何かを計画します。すると必ず失敗がある。何度も、何度もトライし、失敗し、そしてやっと成功にたどり着く。世界のいかなる発明家であれ、冒険家であれ、失敗の数の方が遥かに多い。その努力がみのって、やっと成功に辿りつくのですから、我々が失敗を重ねるのは当然でもありますね。

何故、成功する為に、そんなに数多くの失敗をしなければならないのか?簡単であります。思い描く成功のパターンはひとつですが、失敗のパターンは無限ほどにある。無限に近いパターンの中のひとつを選んで、試し、失敗するのは当然であります。確率からいっても当たり前です。

では、この確率を高める方法はと言いますと、成功のパターンを増やす事という事になります。成功A、成功B,成功Cというように、いくつもの成功パターンがあれば、確率は高くなる。ある特定の成功パターンに固執しないという事になります。

本当は、成功のパターンを描かないというのが一番、成功も失敗も無いわけですが、一応は目標を立て、そこに向かうのが普通ですから、そこに向かう事になります。

何を言いたいかと申しますと、目標はあるものの、そこに向かうにしても、それに固執せずに、どんな事が起こるだろうか、という姿勢を持つ事はできないか、という事です。何かをすれば、何かが起こる。一旦、目標に向かって、動き出したら、方向はそのままでも、ゴールに固執せずに、これから起こる事をそのまま受け入れるという事はできないか?それができれば失敗は無い。ある現象の変化があるだけです。それを楽しめるように、気持ちを持てないだろうか?

もし、そんな事ができるのなら、もっと楽になれますね。気軽に出て、気軽に楽しんで、いつでも軽い気持ちで、ハードなセーリングだって気軽な気持ちで、遠いクルージングだって、体はハードかもしれませんが、気持ちは気軽に、そんなセーリングができるかもしれません。

降っても、晴れても、なんて歌がありますが、そんな心境?

極端な言い方をすれば、何も期待せずに出る。そして、その日の変化をただ、楽しんでくる。良いも悪いもありませんね。変化を楽しむというゲームですから。

セーリングをする時は、そうなれれば良いなと思ったりなんかします。吹いたら吹いた時のように、吹かない時は吹かないように、快走してもしなくても、それなりの楽しみを臨機応変に味わう事ができればと思います。

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