第二話 キャビンとセーリング

インターネットであるビデオを見てみますと、ヨットの紹介ビデオだったんですが、殆どがキャビンの事ばかり。広いキャビンに、充実したギャレー。温水も出ます。それは当たり前の紹介で、魅力も解ります。そんなビデオに誘われて、ヨットを始める人も居る。大歓迎であります。

スタートはそれでも良い。でも、ヨットがヨットである所以はキャビンの外にある。内に変化はあまりありませんね。でも、外には変化があります。だから面白い。キャビンは変化では無く、休息です。
もちろん、休息も必要ですが、変化あっての休息であると思います。

休息が自宅や陸上にあるのなら、ヨットには変化を求めるのが自然です。その変化はセーリングに豊富に発見することができる。長い旅においては休息をキャビンに求めます。でも、日帰りなら、休息は陸上にある。だからデイセーラーには、キャビンの割合が比較的少なくなる。その代わり、外の変化を充実させています。

大きなキャビンで長旅をしないなら、キャビンが使われる事は殆ど無くなる。何故なら、休息を求める事が少ないから。長い旅なら、キャビンは重要。でも、デイセーリングかほんの短い旅なら、それ程でも無い。

大きなキャビンと引き換えに、面白いセーリングを味わう事ができる。セーリングと引き換えにすれば、大きなキャビンを手に入れる事ができる。それは好みの違い。陸上に休息を持つか、ヨットのキャビンに休息を持つか?それは変化をどこに持つか?という問いでもあります。

レジャーが趣味に移行した時、長旅をするならキャビンは重要、多少セーリング性能を犠牲にしてでも、旅の疲れを癒すキャビンは長旅を支えます。逆に、セーリングを楽しむなら、セーリング性能が重要、多少のキャビンを犠牲にしても。高いセーリング性能がセーリングを支えます。

そして、それぞれをクルーと一緒か、シングルかという選択になります。それで、どんなヨットライフになっていくかが決まってくる。

ロングクルージングにあこがれる人は大勢居ます。ですから、何も言いません。でも、セーリングにあこがれる人は少ない。ですから、そこを問います。何故なら、もっとも手軽で、誰でもできるのがセーリングであって、何故に少ないのかという疑問が湧くからです。最も手軽でありながら、面白いのがセーリングなのに。

全てのヨットにセールがある。でも、長旅用のヨットにセーリングを問う事は無い。逆に、デイセーラーにキャビンを問う事は無い。このふたつの違いに注目して、これからのヨットライフを考えてみてはいかがでしょうか?

セーリングにキャビンは必要無いと言う意味ではもちろんありません。キャビンは多少はほしい。でも、いかにを問うのはキャビンでは無く、セーリングであります。簡潔に言えば、皆さんにセーリングをもっとしてほしい、楽しんでほしいという事。旅も良いけど、セーリングも面白いという事。

今日のマリーナ、せっかくの週末、天気も良いし、風も良い。でも、殆どは動かない。それは何故か?時間が無いからでは無い。面白いと思って居無いから? まだレジャー的ヨットだから?
つまりは、どうやって面白さを知るか?そこにつきると思います。面白ければ、時間は作る。何とかしてでも、ヨットに向かう。問題はそこですね。面白さとは何か?ヨットの何が面白いのか?

楽しくなくちゃレジャーにはならない。面白く無くては趣味にはならない。

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