第二十五話 エレクトリックモーター 

6月1日のNEWSで、アレリオン33の電動モーターについて記載しましたが、この度、アメリカの雑誌”SAIL”にて、そのレポートが掲載されました。

  アレリオン33
  通常はヤンマーのディーゼルエンジンですが、
  この度、最新テクノロジーのエレクトリックドラ
  イブモーターを設置、モーターは7.5KWAC
  モーターで、バッテリーは12VDC、160AMP
  のリン酸鉄リチウムバッテリーを2個搭載して
  います。このバッテリーはイノベーションアワード
  という賞を獲得したバッテリーで、鉛のバッテリー
  よりも3倍持ち、全体の80%まで消費してもダ
  メージは無い。また、リチウムイオンよりも安全
  であり、充電においても効率的である。



  スイッチを入れ、スロットル/ギヤーを出港する
  為に操作すると、モーターからかすかな音が聞
  こえる程度・マリーナを出港するに、この静かさ
  は、かなり不思議に感じる。
  スロットル/ギヤは通常のエンジンと同様な操
  作になる。








  モーターかなり大きなトルクを持ち、停止する
  場合も素早く止まるし、加速時にもコーヒーが
  こぼれるぐらいきびきび動く。モーターからの
  振動は無く、低い回転では前進しているという
  動きが無い限り、モーターが回っているのが
  解らないでしょう。

  回転が上がると、少し音がしますが、殆どは
  トランサムからの波の音です。クルージング
  スピードは6〜7ノット、このスピードで連続
  走行時間(バッテリーチャージが要求される迄)
  約3〜4時間の走行ができる。距離で言えば
  24マイルというところ。スピードを落とせば、
  もっと行ける。
デイセーリングにおいて、エンジン使用時間ということを考慮するならば、充分ではないだろうか。
また、セーリング中にプロペラを回転させておく事で、バッテリーをチャージをするようにもなっている。

  本システムの導入においては、通常のディーゼル
  エンジンよりも50%ぐらいはコスト高になるようだ。
  しかし、その後のメインテナンス費用を考えると、
  悪く無い。燃料不要、オイル不要、フィルター等
  不要、インペラも不要。オイルチェックのディップ
  スティックも不要なのです。
  それに今後、昨今の環境問題が浸透するにあたり、
  コストも下がっていくだろう。

  こういうのを最初に採用するのは、コスト高になる。
  しかし、この静けさはなかなか良い。



デイセーリングコンセプトという事では、充分な性能を持つようです。モーターで3時間も4時間も走るということは殆ど無い。ただ、日本での場合は、陸電システムがどこに行ってもあるわけでは無いという事が難点です。

次へ       目次へ