第五十九話 遊び論

今日、遊びを無駄という人は居無いでしょう。遊びは我々に必要な人生の一部であります。それで、いろんな人がいろんな遊びを考えては、これどうです?と言うわけで、我々もヨットで遊びませんか?と言います。でも、まだまだ不十分で、物を提供しますが、それでどうやったら楽しいのかという部分はオーナー任せなんですね。

こちらから提供できる情報は技術論だったりします。どうやって操船するか、メインテナンスは?これらももちろん必要ですが、操船できるから楽しいというわけでも無い。

そのひとつとして、ピクニックセーリングを取りあげてきました。ヨットを体育会系のものにするでも無く、エンターテインメントとして考え、難しい事は考えずに、遠くの海に思いを馳せても、今日は気軽なピクニックセーリングで楽しむ事の提案です。この楽しささえ味わえば、後は、各オーナーの独自性でその先に進まれるのはより簡単になります。

日本人は勤勉な民族ですから、純粋に遊びとなるとなかなか広がりを見せない?ゴルフにしたって、仕事の一環という部分もありますね。それなら、ピクニックセーリングで接待?せっかくの遊びに仕事を持ち込むのも野暮な話かもしれません。

ヨットに泊まるにおも遊びのひとつなのですが、これもなかなか多くは無い。せっかくの設備があるにも拘わらず。

車でマリーナに行って、2,3時間のピクニックセーリングを楽しみ、週末は、たまにはヨットに泊まりましょう。泊まるだけなら、いまいちなのですが、セーリングしたうえでの泊まりなら、ちょっとニュアンスが異なります。泊まりなら、ビールが飲めます。

そうしますと、やれ温水シャワーとか、テレビとDVDとか考えます。しかし、マリーナにもよりますが、シャワーもあったり、テレビなんかでもわざわざ設置しなくても、小型の奴をその時だけ持ち込んでも良いし、音楽聞いても良いし、日頃読めない本を読んでも良い。食事だって、近くのレストランでも良い。出前だって持って来ますよ。これらも全部セーリングの後だから良いんじゃないでしょうか?是非、お試しを!セーリング無しの泊まりだけなら、どうも気分が乗らないかも?
或いは、泊まって、明日の夜明けのセーリング、サンライズセーリングという手もありますね。

遊び論と言いましても、たいした事はありません。考え方次第、アプローチ次第で、何でも遊びになってしまいます。興味が湧くかどうかですね。全部をゲームと考える事ができるなら、全部が遊びになってしまいます。

純粋な遊びはまだまだ敷居が高い。それに大金をつぎ込むなんて。そんな声も聞こえてきそう。でも、それができるのがステータスなんではないでしょうか?純粋に遊ぶなんてことは、誰にでもできる事では無いと思います。

本当の遊びは、何の役にも立たない、仕事も関係ない、どこにも言い訳ができない、でも、楽しいし面白い。若い時の遊びは簡単ですが、ある程度年齢を重ねてから遊ぶのは難しくなります。それは多分、間違った大人の有り方かもしれません。大人だって遊んで良い。それができる人というのは、魅力的でありますね。

しかしながら、何故か、酒と女に走るのには躊躇が無い?

いくら車に凝るとしても、車はどこかで役に立つ。いくらゴルフで遊んでも、これもどこかで役に立つ。どこかで役に立ったら、純粋遊びとは言いがたい。でも、ヨットは? 純粋な遊び。何にも役に立たない。だから簡単では無い。それができて、おおいに楽しめる人はそうおおくは無い。問題は気持ちのハードル。ヨット界は敷居が高い?そうかもしれません。でも、各自の気持ちのハードルも高いんじゃないでしょうか?技術が問題じゃない。気持ちが問題です。ヨットは技術論でアプローチせずに、遊び心でアプローチするのが正しい。と思います。

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