第四十五話 ジョイスティック操作

パワーボートの世界では既にありましたが、ついにヨットにも現れました。360度向きが回転するプロペラとバウスラスターとのコンビネーションで、ジョイスティック操作によって、ヨットが真横に蟹歩き。これで、マリーナからの出し入れが簡単になった。

ベネトー社のニューモデルSenceという新しいモデルで、Dock & Go と称します。パワーボートに、そういうジョイスティック装置が現れたときから、そのうちにヨットにも出るだろうとは思っていましたが、ついに出たという感じです。

ヨットはマリーナからの出し入れが難しいとも言われ、それが解消されますね。これで誰でも簡単に出し入れができるのなら、でかいヨットの悪夢がひとつ解消される事になります。これで、気軽にヨットを楽しめるようになりますね。詳しくはファーストマリンさんのホームぺージをご覧下さい。

進化によって、ひとつひとつ難題が解決されていくというのは有難いことであります。価格は知りませんが、いずれ全てのヨットにも装着されるようになるかもしれません。それが当たり前の時代が来るかもしれません。これで、またひとつヨットが簡単になりました。実に有難い。

50フィートでシングルハンドも夢ではありませんね、こうなると。どんどん便利になります。それで、電動ウィンチなんかも当然つくでしょうから、クルージングがもっと楽になります。

クルージング艇はどんどん便利になって、オートマチック化されていきます。それで良いんだろうと思います。そして、一方では、セーリングを重んじる人達が、マニュアルの世界を堪能する。そういう分離の仕方が、ますます明確になっていくのかな〜と思います。

クルージング艇は便利、セーリングはマニュアルの面白さ。便利になりますと、腕は上がらないですが、クルージングなら、それでも良いんだろうと思います。便利になればなる程、今度はオーナー側が、何をどう楽しみ、何を選択するのか?そこが重要なポイントになります。便利は大歓迎、でも、それを取るかどうかは別な話であります。スタイルの違いであります。どっちが良いという事ではありません。

もうここまで来ますと、後は何が望みでしょう?ハードは揃った。ならば、後はソフトでありますね。
それをいかに使いこなし、楽しみに結びつけられるか?最後はここに尽きます。という事は、我々は、もっと明確にどういう遊びをしたいのか、という事を具体化しなければなりません。それで、必要な物、必要で無い物を見分ける必要がある。主体的に選ぶという態度が必要です。

便利を乗り越えて、それで味わえる快適さを味わう。便利なだけでは不十分であります。便利が楽しさや面白さに変わらなければなりません。どんどん進化して、どんどん新しい物が出てきて欲しいと思います。そして、常に選択は我々の手にある。選択は自由に、主体的に。

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