第二十四話 SENSEI 9m 

デイセーラーの世界も様変わり。最新のデイセーラーは、もっとスピードを、レーサーのスピードをシングルハンドでも得ようという動き、シングルでも、家族でもセーリングを簡単に味わえて、しかもハイパフォーマンス。さらに、ワンデザインレースを目指している様です。

SENSEI 9mというのがトルコから出てきました。この名前はまさしく、日本語の先生という意味だそうで、何かをマスターした人につけられる敬称、海は道場ですとコメントがあります。セーリングをマスターしようという事なのでしょう。

         

デザイナーはイタリア人、レーサーではありませんと言います。でも、カーボンを使ったハル、サンドイッチ構造で、ロッカーの蓋もサンドイッチ。ライト&ストロングと言います。

従来のレーサーでは無く、デイセーラーとしての操作性の容易さを維持したまま、いかに速く走れるか、そういうテーマでの開発が進んでいます。カーボンを使用したりして軽く、このヨット以外にも、同じように、ハイテク素材を使った、スピード追求のデイセーラーがいろいろ出てきています。

20年前にアレリオン28が出てきて、クラシック系のデザインで、モーリスなんかもそうです。これも従来のヨットに比べて高い帆走性能を持っています。しかし、そういうのが出てきますと、もっと速いのを造ろうと、いろんなデイセーラーが出てくるのは自然の流れ。

ヨーロッパでは、市場が大きいので、ワンデザインのレースなんかも楽しめるようになる。レースがレーティングのしばりがあり、先にゴールしても修正で勝てるかどうかという事もありますが、ワンデザインなら、解りやすい。先を走った方が勝ちという事になります。そういうワンデザインの流れを持つ欧米ですから、こういうヨットがどんどん出てくる。

それでいて、簡単操作ですから、シングルハンドも可能としています。ですから、レース以外でも、家族でもセーリングを楽しめますよという事です。

ワンデザインレースは、市場の小さな日本ではなかなか定着しにくい。近所に、同じ艇が数艇あれば良いのですが、なかなかそうはいきません。でも、レースとして考えなくても、こういうハイパフォーマンスのデイセーラーも、いずれは日本にも入ってくるかと思います。

セーリングの味わいを楽しむ。
セーリングのスピードを楽しむ。
セーリングの操作を楽しむ。

デイセーラーは、セーリングをいかに気軽に楽しむかがメインテーマです。いかにというのは、スピードのみならず、トータル的な味わいをも指します。キャビン重視から外へ出て、セーリングを遊びましょうというのがデイセーラー。まさしく、スポーツカーの世界と同じ。これから、ますますそういうのが出てくるでしょうね。

一方がキャビン重視で、どんどんでかくなり。その一方では、デイセーラーがキャビンを小さくして、セーリングを重視する。真反対にあるヨットです。

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