第四十六話 ヨット活用法

一般的な使い方として考えられるのは、クルージングです。レースはしませんから、居住性の良いクルージング艇という話は普通に聞く話です。また、そのクルージングというのも、一般的には、沿岸のクルージングであり、何週間、何ヶ月というより、1週間、2週間以内ぐらいかと思います。

一般にある沿岸用クルージング艇というのは、それに合うように見えます。しかしながら、今日の沿岸用クルージング艇というのは、本来は別荘用ではないかと思います。普段は別荘的に使い、時々、クルージングに行こうか、という感じでしょうか。

例えば、日常は仕事したり、近所で遊んだり、日常生活をしています。そして、たまに、どこかの温泉にでも旅行しようかと考えます。つまり、それと同じで、普段は別荘的に、週末とかに使い、まとまった休みが取れる時に、ちょっとクルージングにでも行こうかと、そういう感じではないでしょうか?しかし、この別荘的使い方が日本人には合いにくい。だから、こういうヨットはちょっと違うのではないか、という疑問を持っています。ここが欧米人のスタイルとは違うところではないかと思います。

レーサークルーザーと称するヨットがあります。これはレースも出来るし、クルージングにも使えるヨットとう事ですが、その中身をもっと吟味していきますと、レーサー寄りのもあれば、クルージング寄りもある。同じ言葉でひとくくりしてしまいますと、本当の中身が解らなくなってしまいます。でも、いずれにしろ、セーリングという事を考えてデザインされ、建造されています。

それで、もし、別荘的使い方が普段の使い方にならないのであれば、レースはしないにしても、普段に気軽なセーリングを楽しむという事をお勧めしています。つまり、普段はデイセーリングを楽しみつつ、時に、今度のまとまった休みには、どこかにクルージングに行こうという具合です。という事は、こういう使い方に対しては、沿岸用の別荘的/クルージング艇よりも、レーサー/クルーザーの方が普段のセーリングも楽しめて良いのではないかという事です。

このレーサー/クルーザーという言葉に人は惑わされてしまいます。レースしなければならないなんて、、どこにも書いていません。レースに参加しても面白いですよぐらいです。もちろん、書いてはありませんが、考えようではないかと思います。そこで、レーサーという言葉は使わずに、ハイパフォーマンスのクルージング艇という言葉を使います。

シングルなら、もちろん、デイセーラーをお勧めしますが、ダブルハンド以上なら、こういうヨットをお勧めします。ハイパフォーマンスであり、且つ、クルージングとして使っても、充分な居住性があるというヨットです。

日常セーリングにおいて、こういうヨットが、操作が大変とか、クルーが何人も必要とかでありますと、あまりお勧めはできませんが、簡単操作で、ハイパフォーマンスなら、セーリング自体を気楽に楽しむ事ができますし、それを日常として、たまに皆でクルージングという使い方は、日本人スタイルとしては使えるのではないかと思うのですが?

  左の写真は、そういう前提で検討して
  いるヨットのひとつです。造船所との
  話し合いの最中で、まだどうなるかは
  解りませんが、もし、日本にご紹介で
  きるようになればと思っています。

  34フィートのヨットです。デイセーラー
  のように気軽なシングルハンドとは
  言いませんが、ダブルハンドならOK
  だし、キャビンも写真の通り、クルー
  ジングに使うにも十分かと思います。

  このヨットのポイントは、排水量/セー
  ルエリア比が高く、高いポテンシャル
  を持っている事、そしてそれを支える
  船体のパワーですね。バラスト比39
  %あります。そして硬い船体です。

  小さなジブとメインとの組み合わせで、
  気楽にハイパフォーマンスと考えます
  もし、レースをと考える方には、大きな
  ジェノアにしても良いわけです。
  ドラムはデッキ下のファーリングジブ
  です。

  

速いヨットを簡単操作。これからは、こういうヨットが良いのでは?と思っています。セーリングを楽しむなら速い方が面白いし、簡単操作で気軽になれるし、クルージングにも十分使えます。これからは、セーリング&クルージングです。別荘&クルージングはちょっと違うかな、と思っています。

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