第二十七話 ノーバックステー

アレリオン33スポーツにはバックステーがありません。バックステーはメインセールの大きさを限定してしまいます。アレリオンにはセルフタッキングジブが不可欠。ジブブームはアレリオンの特徴のひとつです。ですから、これは残したい。でも、もっとスポーティーさを求めたら、メインセールをもっと大きくとなり、それならバックステーを外してしまおう。

       
  
写真では解りませんが、バックステーはありません。という事はバックステーアジャスターも無い。
バックステーが無いから、ブームは長い。それでセールエリアを稼ぎ、メインセールで走るヨットと言えます。かねてより言ってきましたが、ジェノアより、メインセールの方がコントロールし易いので、こういうプランは面白いかと思います。でっかいジェノアより、でっかいメイン。メインはでかいので、上げ下ろしがスムースに行くように、ハーケンのバットカーを設置しています。

バックステーが無い代わりに、長いスウィングバックしたスプレッダーとロッドステイ、それにチェーンプレートはかなりごついのがついてます。それでマストを支えます。マストはカーボンです。

  ちょっと写真では解りにくいですが。

バックステーアジャスターで、マストベントさせてセールを浅くしたりする事はできません。それで、
メインシートを引けばマストは曲がる。ジブセールはセルフタッキングで、かなり引き込めるから上り角度は良い。ランニングでは、このままでも良いが、もしジェネカーでも使えば、おおきなメインとジェネカーですから、良く走る。まあ、こういう時はクルーが居る時でしょうが。

メインはフルバテン、大きなローチを持つセールです。このセールはノース社のノーラムというセールで、真ん中にマイラーフィルム、それを両サイドから薄いポリエステルで挟んでいます。見た目は白いセールです。

排水量に対して大きなセールエリアを持つヨットです。ですから、微軽風でも良く走るだろうし、問題は、強風時。こういう時には、バラスト比が大きいのが役に立つ。それがアレリオンの特徴でもある。ある程度ヒールしますと、キールが横に張り出します。そして、キールの重量が効いてくる。

これで前後のオーバーハングを無くして、水線長をもっと長く取ったら、もっと走るでしょうが、そこはアレリオンとしてのクラシックなスタイルを崩すわけには行きません。レーサーを造っているわけではありませんので。

次へ        目次