第百話 気持ちの維持
| どんなにヨットが好きでも、長い期間に渡って、気持ちを維持し続けるというのは簡単な事ではありませんね。人の気持ちには波がありますから。ある一点の魅力で、それを何年もキープし続けるという事は、それが仕事でも無ければ、なかなかできるものでは無いと思います。 仕事なら、嫌な時でも、気分が乗らない時でも、やり続けなければなりません。続けていれば、また気分が乗ってきたりする事もあります。ですから、仕事には精通していきます。でも、ヨットにそんな義務は無いわけですから、気分が乗らない時があって、そこで、長い期間離れたりしますと、場合によっては、気分がなかなか回復してこない事もあるかと思います。 それで、ヨットに対して、いくつかの楽しみ方を持つ方が良いという事になります。普段はデイセーリングをして、たまに、レースにも参加してみるとか、宴会してもるとか、誰かを誘うとか、近場にクルージングしてみるとか、音楽をかけてみるとか、いろいろあるわけです。そう考えますと、遊ぶというのにも努力しなければなりません。その努力なくして、遊びでさえも続ける事は難しい。 継続は力なりと言われますが、それは遊びでもそうなんですね。遊びでも、仕事でも、継続すると、何らかの力になる。それだけに継続は難しいとう事でしょうね。ですから、ヨットを５年、１０年と続けるというのは、いくら遊びでもすごい事なのかもしれません。 気分が乗った時だけやるという方法もあります。乗らない時は違う事をやる。結局、何も続かなかったという事もあります。全部を続ける事は難しいにしても、何かひとつぐらい継続してものにしたいと思います。もし、それがセーリングなら、セーリングに対して努力しなければ続けられないという事になり、遊びだって、習得するのは、楽じゃない。 じゃあ、楽じゃないと認識してヨットをやる。努力しましょうとなります。その努力も、面白味が解ると、努力というハードルが低くなる。努力しているつもりもないという事もあります。という事は、できるだけ早く、面白味をどこかに見出す必要が出てきます。 最新装備をして、楽だけを求めると、いつの間にか面白さは薄れていくかもしれません。面白味は、どこかに工夫をして、成果を得る事とするなら、その工夫する余地が無いといけない事になります。楽だけでは続けられないという事になります。近場のクルージングで、仲間を集めるとするなら、仲間をいつも集める努力が必要になるし、それがいつも簡単なら、やがて、それに楽しさを見出す事もできなくなる。 もちろん、ハードルが高すぎると、やる気も失せるので、バランスが必要かとは思います。年に、２，３回のセーリングなら、どうでも良い。その時が、楽しければ良い。でも、回数が増えれば増えるほど、面白くないといけません。回数が増えれば増えるほど、いろんな事に遭遇します。 多分、どこかのポイントから、セーリングは楽しいから面白いに切り替わるのではないかと思います。偶然もたらされた快走セーリングは楽しい。しかし、自分がいろいろ工夫してきて得た快走なら、面白いという具合に。結局、楽しいは、外部環境に頼り、面白さは自分の内部に寄るのかもしれません。内部は、工夫であり、努力なのかもしれません。 結局、自分で工夫することが必要であり、努力が必要であり、その努力も努力と感じられないぐらいの面白さが必要であり、面白いから努力と感じないか、努力するから面白さが出るのか、鶏と卵の関係ですね。 それは兎も角、継続を力に変える方法は、努力をするという事になるのかもしれません。それがいつの間にか気がつかないうちに、努力が努力と感じなくなるのかもしれません。努力が面白さになるのかもしれません。たかが遊びにそんな事考える必要は無いのかもしれませんが、遊びでも、何でも、５年、１０年、２０年と続けるのは簡単な事じゃ無い。 それで、セーリングそのものに努力をし、時に、違う事も混ぜながら、努力をする。それがいつか、楽しみとか面白さとか、そういう風に変われば良いなと思います。それが、ファミリーセーリングだったり、デートだったり、宴会だったり、いろいろあります。何となく過ごしてきた事が、より明確に認識する事で、楽しみ、面白味を見つけやすくならないかな〜と思ったり。 ギャンブルにはまる方がおられます。身近なところでは、パチンコ、その他、競輪、競馬、競艇、海外にまで行ってギャンブルをする方もおられます。多分、ハラハラ、ドキドキ、あの緊張感がたまらないのかもしれません。この魅力にはまったら、努力も努力とは感じない。徹夜で麻雀やるのは、かなり大変な努力だろうと思いますが、だれも努力しているとは思いません。それができるのは、この魅力なんだろうと思います。暇さえあれば、すぐに行く人が居る。ギャンブルには儲かるかもしれないという魅力がありますが、他の遊びにはそれはありませんから、やっぱり努力が必要かな。 その努力を、時々注いで、維持して、長い間続けるというのは、なかなか難しい。だからこそ、それが出来てきたという事は、大変な事です。それは誇りでもあります。習得してきた技術も、たくさんの味わいも、お金では買えない財産ですね。いくらお金持ちでもできません。芸能界やスポーツ界ならスターです。大げさですが。でも、これは他人に見せる事では無いので、その分自分のヨットライフが充実してきたという事だと思います。 それで気がつきました。何が面白いかって、ある特定の場面が面白いというより、築き上げてきた自分の能力、自分がうまくなってきたという事が最も面白いのではないでしょうか？良い風が吹けば、誰でも快走できる。でも、それは偶然の力に頼る。それより、自分ができるという事が重要なんだろうと思います。 努力なくしてスターは生まれない。でも、努力を努力と思わなくなった時に、スターへの道が開かれる？何だかたいそうになってきたので、この辺で。 |