第百話 デイセーラーを選ぶ

デイセーラーを選ぶという事は、新しいライフスタイルを選ぶという事になります。ヨットを選べば、そのヨットのスタイルが一緒についてきます。だから、簡単な事じゃない。ヨットが違うというだけでは済まない事になります。そのヨットを選べば、そのヨットをどんな風に使っても良いのですが、でもそのヨットに最も相応しい乗り方をした方が、そのヨットは性能を発揮するし、満足度も高くなると思います。

25フィートぐらいのデイセーラーから、50フィートオーバーのデイセーラーまでありますが、基本的にはひとりで操船できる。乗っても大勢というより、少人数。セーリングを本気で走ったり、気軽なピクニックだったり、キャビンはあっても、それは二次的、主役はコクピット。エンジンで走るというより、セーリングを楽しむ。クルージングの様に、何日も何日も、というより、短時間を頻度高く。そんなイメージです。でかいサイズのデイセーラーなら、キャビンもその分広くなります。しかし、それでも、主役はセーリングにあります。そうでないと、デイセーラーの意味が無くなりますから。

セーリングをしますと、セーリングの事に頭を使います。それが面白いと感じるかどうか?なるほど、こういう時は、こうすれば良いのか、とそこに面白さを感じる事が必要かと思います。それが面倒くさいと思うなら、あまりお薦めはできません。こうしてみたらどうなるかな?という好奇心みたいなものがあった方が良いでしょうね。でも、セーリングを意識して乗るようになれば、それをデイセーラーで行うなら、自然と、そういうセーリング意識は生まれてくるのではないかと思います。

セーリングに面白さを感じて、何度も乗っていきますと、ヨットとの一体感も生まれます。すると、自由自在感も出てきます。ある特定の風の時が面白いというより、いろんな風の中で、より面白いセーリングを見出す方向に思考が働きます。

クルーを見つけて、確保するのが面倒くさい、時間がない、そういう理由でデイセーラーに行かれる方もおられると思います。それはそれとして、セーリングを始めたら、セーリングを楽しむ意識をもって、セーリングに新しい何かを発見するとか、そういう方向で進まれると良いのではないかと思います。そうしますと、要はセーリングを好きになっていただきたい。それだけであります。好きになって、面白さを感じたなら、他の事も自由自在に、どうにでもなる。そんな感じがします。

ですから、クルージングもして良いし、レースもして良い。ですが、クルージング艇ともレース艇とも違うヨットです。そんなヨットが、いつかは普通の選択のひとつになると確信しています。

デイセーラー/クルーザー〜ハイスピードデイセーラー、呼び方に決まった名前はありませんが、
これらのヨットの考え方、スタイル、そういうものが、きっと満足させてくれるかと思います。そして、ヨットに対して、これまで以上に身近に感じる事ができるようになると思います。

さて、次の章からは、何を書こうか? 悩んでおります。

今日の一曲 クリフォードブラウン Where or When
この章で曲紹介は終わりにしますので、悪しからず。

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