第三十五話 味付け

デザイナーの自由度が増した処で、どういう味付けをしていくでしょうか?デイセーラーに求める基本的は要素は、シングルハンドである事。これだけです。それをキープしたうえで、どんな要素を加えていくか?

ひとつ明確なのは、スピードを追い求める事です。その為には、かなり排水量を軽くしていく事になります。セールエリアを極端に大きくしますと、シングルハンドでは操作が大変になりますから、セールエリアはそこそこにして、船体の重量を下げていきます。

このタイプのヨットとしては、30フィートぐらいで、排水量2t ぐらい、バラスト比50%前後、SADR値は30オーバーです。もちろん、もっと軽くする方法はあります。しかし、価格との問題もありますので、現時点では、こんな感じです。軽く、速いとなりますと、反応も鋭くなります。ですから、その分、特に強風時には、スピードが上がって、集中力を要するかとは思いますが、スピードを楽しまれる方には良いと思います。

   だいたいこんな感じです。
   多くが、イタリアン系のモダンデザインが
   殆どですね。それは、多分にイタリアの
   デザイナー、ブレンタ氏の影響が強く感じ
   られます。







さて、スピードオンリーで無ければ、帆走性能としてはSADR値23前後、これでも、一般のレーサークルーザーの数値です。この数値で、デザインをクラシック系にするのが多いようです。アレリオンとか、イーグルとか、ハーバー等々はこういうタイプです。

通常、我々がシングルハンドでスポーツ的にセーリングを楽しむには十分な性能ではないかと思います。ですから、今度は見た目のデザインに凝ってきます。それが、クラシックとして、だいたい共通して居るようです。動きはスピードを求めたデイセーラーに比べれば、ややマイルドです。ですから、気楽さもありますね。一般的デイセーラーとしては、こちらがお薦めかと思います。

 

こちらはちょっとクラシック系。でも、高い帆走性能を持っています。SADR値を落とした分、余裕のデザインを感じます。

次へ       目次へ