第四話 自由自在

速く走る前に、自由自在度を高める。いくら速く走れても、自由度が低いと、ある一定条件の基でしか楽しめなくなるかもしれません。ですから、自由自在度を高める。慣れる、一体感を得る。臨機応変になる。それで、もっとスピードを求める。

完全な自由自在というものがあるかどうかは解りません。何しろ、風も波も様々に変化しますから、完全は無いと思いますが、自分である程度自由度を感じられるようになったら、俺もそこそこだなと思えるようになったら、次にもっとスピードを求める。それは高いレベルに上がるという事にもなります。また、それはより強い風でのセーリングかもしれないし、微風での微妙セーリングかもしれません。

それで、強風にでも乗れるヨット、微風でも反応の良いヨット、そういう方向に向かうかと思います。
でも、だいたいは強風は過ぎれば避けますし、乗っても面白い処では無いかもしれません。それで、ある程度自分が思う強風でも乗れるようになると、今度は微風が問題になります。微風でもそこそこは走りたい。

それで、微風でジェネカーを活用する。ジェノア的ジェネカーのカットにして、上りから下りまでを走れるようにする。すると、微風帆走が変わります。それで自由自在を目指す。或は、もっと軽いヨットにして、微風での帆走性能を高める。

いずれにしろ、自由自在度をその都度高めていく事が、面白さの秘訣であろうと思います。それをクルー有りでやるか、シングルでやるか? デイセーラーではシングルでの自由自在を目指します。一般的には、SADR値25以下ぐらいで十分ではないかと思います。かなり高い数値です。それで、もっとを求めるとしたら、SADR値30前後からそれ以上のヨットとなります。

多くのデイセーラーはSADR値が25以下ぐらいです。アレリオン、ハーバー、モーリス、ヒンクリー、等々、この数値で、クラシックな美しさを強調するヨットが多いです。それでも、この数値は一般のレーサークルーザー、クルーザーレーサーと呼ばれる、レースに最も多く使われているヨットに匹敵します。それが30になりますと、デザインはモダン、非常に軽く、イタリア系デザインが殆どです。レーサーの雰囲気です。それらをシングルで帆走できるんです。それがデイセーラーの最大の魅力だと思います。

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