| 何でもできるヨットから、これが得意とするヨットへ徐々に好みが広がるというのは、ある種の市場の成熟度を表しているような気がします。それは、どんな使い方が最も自分に合うのかが、解ってきた証拠ではないかと思います。 デイセーラーもそのひとつ。アレリオン３３スポーツがやってきました。これから、艤装に入ります。 このヨットは、ご存知の通り、キャビンはそこそこ、それよりセーリングであります。シングルハンドも容易にしています。スポーツセーリングができるヨットです。 このヨットはキャビンで過ごす事を得意とはしていません。でも、レーサーというわけでもありません。どちらもできないわけではありませんが、それより、シングルハンドでも、気楽にセーリングを楽しむ事ができるというヨットです。そこが他のヨットとは違う処です。 昔は何でもできるヨットというのが求められていました。でも、今は違います。その違いは成熟度ではないかと思う次第です。 何でもできるとしても、実際は何でもするわけではありませんし、ちょこっとづつかもしれないし、実際はしないかもしれないし、それに対して、最も優先したいであろう事が、何でもできる代わりに、そこそことなるかもしれない。そこそこならまだ良いですが、劣るかもしれない。そういう事がわかってきて、何は無くとも、これが優先という事が、解ってきた。それは成熟ではないかと思います。 当社はまずは、セーリングに重きを置いています。ヨットですから、ヨットならではのセーリングを優先します。もちろん、レース性能という事ではありません。でも、高い帆走性能を楽しむ事を優先し、そのうえで、各人がどうするかを考えて頂ければと思っています。 想像すれば、何でも必要に思えてきます。しかし、あれもこれもから、それが逆になりますと、これが最も楽しめる、面白い遊び方になっていくのではなかろうかと思います。成熟した選択という事ではないかと思います。もちろん、それはデイセーラーに限る事ではありません。何を最も優先して、それを満喫する事、それがあれば、他は重要とは思えなくなります。 |