第六十八話 ボートショー

冬場は世界的にボートショーのシーズンです。造船所は、この時が受注の最大のチャンスと力を入れます。欧米ではボートショーの時にヨットを見て、注文するという形態がかなり多いようです。
日本でもボートショーが開催されますが、残念ながら、出品数が限定されております。かつてのバブル時代はすごい数でしたが、残念であります。

海外のボートショーでは数が多いので、とても一日では足りず、初日に、どこに何があるかをチェックしておいて、翌日にお目当てを見に行くというパターンになります。見学者の多いブースでは、順番待ちとか、何時に来いとかの予約券をもらったりとか。

ボートショーシーズンになりますと、担当者が出払っていたりとかで、連絡ができない事もかつてはありましたが、最近は携帯電話がありますから、それでボートショー会場からでもメールが来ます。
便利になったものです。

思い返せば、昔は、テレックスでした。特にヨーロッパ系はFAXの導入が遅かったという記憶があります。それから、徐々にFAXが普及して、飛躍的に連絡が取り易くなり、そしてさらにインターネットの普及によってメールで行う事ができるようになり、写真の送付もできますので、これは非常に便利であります。メールに関してはヨーロッパでも普及は早かったですね。

昔と全然変わらないのが、海上輸送です。ヨーロッパからだいたい30〜40日かかります。これは昔のままの形態です。ただ、いつも変化するのが、その時の世界の経済状況によって貨物の量が変化しますから、それによって運賃が変わったり、本船の便数が変わったり。昨年は日本の震災の影響で、多くの外国の船会社が日本に行くのを取りやめたりして、結構大変でした。その前は中国経済が活発で、中国向け貨物が多く、ヨットなんか積みにくい貨物は拒否されたり、受けても運賃が異常に高くなったりで、いろいろありました。

最近の傾向では、貨物が少なくなっているようで、それなら余裕で安くなるかと思えば、今度は船会社は便数を減らしている模様です。そうなると、逆に貨物は集中するという現象があるようです。
世の中、そうそううまくは行きません。

ところで、ボートショー、海外旅行とか行かれる時、ボートショーを見に行くというのも良いかと思います。但し、冬ですから、寒いかとは思いますが?旅行としてはオフシーズンかとは思いますが、
始めて行かれる方は、その規模にびっくりされるかもしれませんけど、きっと楽しいと思います。

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