第八十六話 微軽風時の対応
| 適度な風があれば、こんな楽で気持ちが良いセーリングは無い。しかし、強風があれば、微風もある。だからこそ、バリエーションが出来て面白くもなるものですが、やはりそれなりの対応を考えなければならない。 強風では風を抜いたり、セールを縮めたりするわけですが、今度は逆にパワーを大きくしたい。だからセールはフラットでは無く、ドラフトを深くする。しかし、強風時の反対のリーフに対応するようなセールを大きくするという事が無い。 例えば、中風で、１５０％ジェノアを１３０％ぐらいに巻いて、メインは１ポイントリーフして走るのであれば、軽風ではフルセールという事もできるだろうが、もし、そう考えるならば、マストをもっと高くしておく必要がある。当然ブームも長くなる。実際は、そうでは無いので、フルセールで走って、軽風になったら、ドラフト深くして、それ以上はできない。 そこで、考えられたのが、軽風用のセール。強風時のリーフに対する反対の考え方。それがコードゼロという事になる。大きな軽い上り用のセール。このセールとジェネカーかスピンがあれば、いろいろ対応はできるものの、対応する方が大変になる。まして昨今のクルー不足なのですから。 そこで、メインとジブで対応できる程度の風であれば、それで走るとして、それ以上弱い風の時に、 一枚だけ追加するとしたら、微軽風用のセールかなと思います。これは、何度も言ってきました、コードゼロ的ジェネカーセール。上りで使えます。下りでも、角度は一般ジェネカーまでは落とせませんが、使えます。少人数でセーリングをレース以外で楽しむなら、一枚持つとしたら、これかなと思います。 ドラフトを深くとか、そういう事に比べれば、セール面積が格段に増えるわけですから、効果は絶大です。上り角度では、多分４５度（AWA)くらいまで上れるでしょうし、下りはメインの陰になってくるので、１３５度くらい迄でしょうか？ 先日、こういうセールを使ってセーリングしてきました。実に快走を味わう事ができました。 走れば、もっとと思うのが当然なのですが、上りは結構良かったのですが、下りはもっと落とせないかとも考えたものです。欲を出せばキリは無いのですが、性能をもっと求めると、今度はそれに伴う操作が増える。このバランスの問題ではあります。 ただ、下りの角度に関しては、例えば、観音開きにしてしまえばどうなんだろう？ こういうセールで観音開きはまだその時は試していませんが、ちょっと舵操作が難しくなるかもしれませんね。それは兎も角、微軽風をどう対応するのか？ そこは考えておいた方が良いかもしれません。 強風は誰もが対応を余儀なくされます。しかし、微軽風では、対応しないでも済ます事はできます。エンジンで走る事もできる。しかし、セーリングを遊ぶという意味では、何らかの対応はしたいなと思います。その方が面白いわけですから。それが、セーリングの目的でもありますから。 |