第31話 J24

J24は言わずと知れた、ワンデザインのレーシングヨットです。このヨットは日本全国に
散らばり、レースもやっていますが、乗らずに放置されたままの艇も数多い。実に、
もったいないですね。実は、前々から、このJ24には興味を持っていました。レーサー
としてでは無く、クルージング、気楽に使えるクルージング艇としてです。形が良い。

あくまで個人的な好みですが、全体をきれいに塗装しなおし、スタビリティーを増す為
にインナーバラストを入れる。ジブはファーラーにして、セルフタッキングにする。メイン
セールもフルバテン、レージージャック等々、クルージング艇の装備を施し、あくまで
スポーツ/クルージング艇として使います。キャビンは狭いですが、シートに座って
話したり、御茶飲んだりするには充分です。寝る事だって問題無い。クッションカバー
を新しく張り替えて、木部にニス塗装を施して、簡易のカセットガスコンロを持ちこめば
コーヒーだって熱いのが飲める。レーサーと言っても、ランナーも無いし、数多くありま
すので、入手も容易、それになんたって安い。アレンジは個人の好み次第ですが、
キャビンの床板を新しく変えて、コクピット周りにチークで少しアレンジする。結構、りっぱ
な東海岸風のスモールボートができるのではないかと思うのです。外装チークには
この際ですからたっぷりニスを塗装してやります。

シンプルで何も無いヨットかもしれませんが、自分のアレンジでいかようにもできる。造る
楽しみがあります。一からヨットを造るとなると、これはもう大変ですから、素材として見る
これを自分の好みに仕上げる。こういう楽しみもあります。これも新しい楽しみ方として
いかがでしょうか。今更、J24にお金かけてどうするんだ、無駄、もったいないという向き
もあるかもしれません。でも、これを腐らす方がもったいない。

好きな色に塗装して、自分のセンスで新しいヨットを造る。こういう気持ちです。これは、
実に面白い。昔、子供だったころにやったプラモデルみたいな物です。そして、実際に
自分で走れるのです。幸い、J24はシンプルですので、改造も難しく無いし、アレンジの
しようによっては、美しいヨットになると思います。何もレーサーとしてだけに限定する
必要などありません。考えただけでもワクワクしてきます。

キャビンが狭いのでご不満の向きは多いでしょうが、気軽なデイセーリング艇です。予算
があれば、スターンを伸ばし、クラシックなスタイルにしたり、船外機をインボードにしたり
する事も可能ではないでしょうか。そうすると、世界には無い、J24ならぬ、J27とかJ28
とかになりますね。この際ですから、名前も変更して、自分の好きな名前でいきます。

幸い、最近ですが、J24を手に入れました。いつかこういう事をやってみたいと思います。
いつの事になるやら解りませんが、造る楽しみからセーリングする楽しみまで、しかも、
気軽、安い、入手も簡単、面白いと思うのですが。

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