第81話 シングルハンドアソシエーション

アメリカにシングルハンドの協会があります。シングルハンドでのレースをしているようですが、
レースと限らなくても、こういう協会があって、お互いが情報の交換などをしながら、楽しむよう
にできれば良いと思います。

艇が大きかろうが、小さかろうが、シングルで乗れるなら、鬼に金棒。誰かが来ても、来なくても
ヨットを楽しめるのですから。それで、シングルハンドを目指していただきたいと思うのです。
小さなヨットは誰でも、シングルハンドが可能と思います。でも、海外では中大型艇のシングル
ハンドと称するヨットも出てきています。その最大はドイツのディスタンシアという60フィートです。
このサイズをシングルで動かすには、すごい工夫がなされています。また、アメリカ人デザイン
で、ニュージーランドで製作中の40フィートというのもあります。まだ、完成はしていませんが、
これもかなりの工夫がなされ、シングルハンドを実現するようです。

それで、各オーナーの経験やら、入手した情報をみなさんで分かち合う場所があれば、良いです
よね。今まではこれは難しい事でした。でも、今や、インターネットの普及で、可能です。場所も
不要ですし、紙も要らない。ネットで、場所を造っていけば、皆が見れる。誰かが、言った事は
その人の過去の経験によるものですから、経験が違えば、意見も違う。多くの人から聞くと、参考
になるでしょうし、採用できるものがあれば、自分で試す事もできる。そんな協会があれば、おお
いに、役立つかもしれません。

海外では、ある一艇種のみのオーナー達で作られる協会があります。そのメンバーは全員が、
同じヨットを所有しているのですから、それは参考になるでしょう。残念ながら、日本で、同じ艇
を持つ方々はそう多くは無い。あるとしたら、J24のレースとかになるでしょう。

でも、シングルハンド、ダブルハンド、外洋等々のジャンルで、お互いの情報交換などができれば
おおいに助かりますよね。かつて、53フィートのヨットオーナーが時にはシングルハンドで出すと
話をすると誰も信じられない。でも事実です。この事を知るだけでもおおいに勇気づくではないで
すか。どうやって乗ってんだろうとおもいますよね。こういう情報は自分の持っている考えを払拭
してくれます。誰でも、自分で考えた世界に生きているわけですから、その枠を広げるには、人の
意見を聞くのが最も良い。そしたら、もっともっと楽しめるようになるでしょう。

考えてみれば、シングルハンドの最大の難関は出入港にある。それをどうやってクリアーしていく
か、都会の狭いマリーナに係留されている方々は特に感じておられると思います。まあ、練習しか
無いといえば、それまでですが、誰かの工夫がおおいに助けとなるかもしれません。

マリーナを出た後はセーリングをいかに自分の範囲で楽に操作するか。こういう事ができると実に
ヨットは楽しめる。人は考えますから、その考えが自分の経験だろうと、他人の話だろうと、一旦
自分が口に出すと、もう自分がその中にある。良いか悪いかは別にして、後は、新たな自分の
経験と他人の経験を取り入れる余裕が必要ですね。その為にもこういう協会は役に立つかもしれ
ません。

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