第五十三話 ヨット遊び

ヨット遊びをもう一度考え直した方が良いのかもしれません。多くの方々が夢としてのクルージングを描いたと思います。しかし、現実には、時間の問題等もあり、なかなか堪能できる方々はそう多くはありません。それで、欧米では別荘としてしまった。それでも、まだ良かったのかもしれません。少なくとも、別荘であっても、そのヨットを活かす事ができた。しかし、日本ではその別荘的使い方もほとんど無かった。

今日、海外ではその別荘に見切りをつけて、セーリングそのものに向かう人が増えてきました。もっと気軽に、家族や友人達とセーリングしたり、或は、スポーツ的に楽しんだり、それらを気軽にやれた方が楽しいという事に気づいてきた。それが今日のデイセーラーであり、世界各国の造船所から、次々にデイセーラーが生まれてきている所以でもあります。ヨットとして、遥かに、その方が面白いし、楽しめる。

もはや、でっかいヨットで、快適なキャビンをいくら造っても、それ自体が面白いわけじゃない。むしろ、それに縛られてきた事に気づき始めた。それらの快適生活は自宅にあれば良い。それより、何故、ヨットだったのか? それをもう一度考え直すようになってきた。ヨットに求めたのは、快適な生活環境だったのだろうか? もし、そうなら、家に居れば良い事になります。でも、そうではなかったはずです。何か、楽しい事、面白い事、エキゾチック感、いろんなフィーリングを味わいたかったはずです。

今日のデイセーラーの出現が、欧米市場に新しいヨット感を生み出したと言いますか、目覚めさせたと言えるかもしれません。楽しい、面白い、これらは一体どこにあるのか?

  
  アレリオン28

次へ       目次へ