第六十三話 ヨット界の危機

近所に、そこそこ大きな本屋さんがあります。あっちこっち回って、当然ながら、マリン関係の処にも向かいます。ボート雑誌でパーフェクトボートという雑誌、ご存知でしょうか? それ開いてみますと、60フィート、70フィート、80フィート等々のボートの記事や広告が満載です。バブル再びか? と思ってしまう。40フィート前後なんかは、恥ずかしそうに、隅の方で広告が掲載されてました。

もうひとつのボート雑誌は、ボートクラブ、これはどちらかというと小型艇で、釣りボートが多い。
それで、ヨット雑誌の名門と言えば舵誌、今や、ヨット雑誌はこれしかありません。これを探すも、残念な事にどこにも見当たらない。何故? 買う人居無いのか?

日本のヨット界に危機が迫っている。ヨットの数は減少し、それに対してボートは増えている。しかも、大型化している。あるオーナー、毎年の様に、カジキ釣りのトーナメントに出られて、曰く、最近は60フィートぐらいのスポーツフィッシャーマンなんかがざらに参加してくると言われていたのを思い出します。

それに比べて、ヨット界は? 何故こうなってきたか? 私なりの結論を先に申せば、ヨットが面白く無くなってきたからだと思います。高齢化とか、若者が少ないとか、他にいろんな遊びがあるとか、いろいろ言われますが、根本はそんな事では無く、ただ、ヨットが面白く無くなってきた。そういう風に、知らず知らずのうちに、我々みんなで追い込んできたのではないか? 

また、ヨットは難しそうだからという方もおられる。でも、昔より、今の方がむしろ操船は簡単になってきたと思います。だから、これも減少の要因では無いと思います。このままでは、日本のヨット界は消滅するかもしれない。原因は若者でも無ければ、難しいからでも無く、面倒くさいからでも無く、全ては業界とユーザー、我々にあると思います。何とかしなくちゃ。

  
  コードゼロ(ヨットのモデルです)

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