第八十二話 Koopman 28
またまた、オランダです。排水量は1,650kgですから、Biehl8.8とほぼ同じです。残念ながら、どこにもバラスト重量を見つける事ができませんでしたが、多分、Biehlよりは重いのではと思います。内装がかなりシンプルですから。その分の重量がバラストになっているかもしれません。そして、セール面積が33.4u、Biehlより1.4u大きい。それで、SADRを計算しますと、24.2です。レーサークルーザーぐらいのスポーツ度です。そのレベルに有りながら、セールはレーサークルーザーより、遥かに小さくて済む。だから、取り扱いはし易い。排水量が軽いと小さなセールでもスポーツ性は高くなります。 Biehl8.8と同じ程度の排水量で、セール面積が1.4u大きくなっただけで、SADRが22.8から24.2へと上がる。これを小さいと見るか、大きいと見るかはそれぞれですが、少なくとも言える事は、重量とセール面積を考えた時、重量軽減よりも、セール面積を大きくする方が遥かにに簡単で、しかも、影響力も大きい。例えば、排水量を10%軽減した時、このヨットのSADRは25.9になります。また、セールを10%増やした時、SADRは26.7になります。排水量を軽減する方が大変だと思います。だからと言って、セールをどんどん拡大していきますと、今度は操作面が大変になります。バランスをどう取るか、デザイナーの考え方ひとつになります。そして、それを、オーナー側がどう読み取るかですね。そして、もうひとつ。セール面積の影響力が大きいという事は、それだけリーフ時の効果も高いという事になります。 また、デイセーラーだから内装はシンプルとは言っても、やっぱり、それぞれの造船所で違っています。広さはあまり変わら無いにしても、やっぱりどこまで造るかで異なります。このヨットの内装はかなりシンプルです。それにドッグハウスは低い。これは何故そうしているのかが解りません。スプレー被ったら、そのままコクピットに流れてしまうのでは?コクピットのコーミングより低いのは普通は無いと思いますが、多分、何か理由があるのでしょう。 |