第九十六話 M 36

モーリスヨットの最初のデイセーラーです。最初の建造は約10年ぐらい前だったと思います。セミカスタムの外洋高級ヨットで有名な造船所です。 そこが建造するデイセーラーは、やはり少し重めで、排水量は4,035kg、バラストは1,747kg、セール面積は51.8uです。SADRは20.8とマイルドで、セールとバラストを見ても、強風に強いヨットだと思います。

前後にマイルドなオーバーハングを設けたモーリスらしいクラシック・モダンデザイン。 キールデザインを見ますと、前後にやや長く、それだけでも、スポーティー感としてはマイルドさが伺えます。しかし、まあ、美しいヨットです。ビュンビュン走らなくても、この美しさなら許せる感じでしょう。 もちろん、一般クルージング艇より軽いし、フリーボードは低いので、スピード感もあって、楽しいと思います。

デイセーラーの全般的特徴は、たとえSADR値がクルージング艇と同じでも、より小さなセールでそれを達成できる事と、安定性がより高い事、それにフリーボードが低い事によるスピード感、そして船体の硬さから来るセーリングの滑らかさという事だと思います。

このヨットもそうですが、全般的に言える事は、クラシック系デザインではマイルドなスポーツ性をもち、モダン系デザインでは、かなり高いスポーツ性を持つ。アメリカはクラシック系で、ヨーロッパはモダン系が多いです。

  
  
   

   

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