第三十九話 セーリングの価値
デイセーラーの出現は、”セーリングに対する新しいアプローチの仕方の誕生”、とアメリカの雑誌が評した様 に、世界のヨットオーナー達のセーリングに対する態度に変化を起こしました。それは、ヨットに対して、気軽さ を持って、そのヨットが持つセーリング性能を楽しむという処にあると思います。従来のクルージングとレース に加えて、第三のスタイルの提案です。 それが、キャビンより面白いのか? クルージングとはどうか? それは、各人の価値観の違いですから決め つける事はできませんが、でも、少なくとも、多くのヨットが動かない状態を見ますと、決して、現状で良いとは 思えません。晴天で、良い風吹いて、日曜日、それでも、出ているヨットはわずかです。それがたまたまの光景 では無く、常態化している。その現状を見ますと、このままで良いはずが無いと思えてきます。 それは欧米でも同じで、だから、デイセーラーという新しいジャンルが台頭してきている要因になっていると思 います。彼らは、セーリングを軸に、ピクニックから〜真剣セーリング〜時にレースを含めて、様々なセーリン グを楽しんでいます。それができるのは、気軽にできるから、そして、その性能にあります。 この価値観の転換は、簡単では無いかもしれません。簡単に割り切れる程、人は合理的にはできていないの かもしれません。だから、欧米にしても、時間をかけて、徐々に変わってきた。日本でも、10年前は、見向きも されず、それが徐々に変わってきて、そう言えば、キャビンなんか殆ど使わないな〜という方々も増えてきま した。 いつでも、シングルでも、クルー有りでも、ゲスト有りでも、気軽に出せて、セーリングを堪能できる。そういう事 が出来たら如何でしょうか? 是非、想像して頂きたいと思います。その代わり、キャビンは狭くなります。長期 間のクルージング向きでも無い。でかいデイセーラーは別ですが、それは、兎も角、どっちの方が楽しさや面白 さの点において、より遊べるか? 是非、考えて頂きたいと思います。 |