近場はお馴染みのフィールド。風景に大きな変化はありません。季節的変化はありますが、変化のスピードは極めて遅い。それで、変化と言うと、風です。これは毎日、毎瞬変わります。という事で、その変化を楽しむのがデイセーリングであります。

先日は、あるデイセーラーオーナーから、セーリングの御報告がありました。”快走だった、９ノットまで出て、多少の緊張感もあったが、何とも最高の気分だった”　というものです。そのマリーナで、しょっちゅう出てるのは、全体の５％ぐらいかな～とも言われてました。　来ても出ない、出てもセール上げない。何が楽しいのか、良くわからん。それで、別の機会にひとり載せてあげて走ると、大喜びだったそうで、”これなら一日中走っても良いね～”　と言われていたそうです。

この感じを、多くの方々に味わって頂きたいと思う次第です。実は、セーリングって、本気でやると面白いんです。別に、秘密にしているわけじゃ無いんですが、そんな事するのは、レーサーだと思い込んである方が多い。それに、難しいと、これもまた、思い込みを持つ人は多い。　だから、積極的にやる人は少ないし、快走を味わうのは、偶然の風任せの人が多い。セーリングって、そんなもんだと、これまた思い込みです。　もったいない話です。

もちろん、本気でやったからって、いつも快走になるわけじゃない。でも、快走以外に、面白い部分もたくさんある事に気づきます。セーリングをマクロ的にトータルで見る。各部をミクロ的に見る。両方を楽しめます。但し、本気でやらないと解りません。

本気というのは、その気です。意識です。知識も技術も感性も本気でやらないと身につかない。でも、本気でやると、誰でも身に付きます。身に付くから、もっと深い面白さが解る。心さえセーリングに注げば、誰でも楽しめる。やらないのはもったいないです。いくらお金出しても買えないのです。多くの方々はやらないので、それは貴重な体験です。それに比べたら、エアコン、温水、冷蔵庫、　みんな買えます。今、セーリングを楽しんである方、当たり前の様に楽しんであるかもしれませんが、実際は、多くの方々は知らない感覚なんです。日本にヨットが一万艇ぐらいありますが、多くの方々は知らないんです。秘密でも何でもないのに。

舵を握って、セールを観察して、風を感じる。そこに神経を集中したら、微妙な変化さえも解る。セーリングって、そういうもんじゃないかな～と思います。それを洗練させていくのがセーリングだと思います。それを続けていくと、その世界が解るようになります。ただ走ってるだけじゃ無いんです。

変な話ですが、多世界社会という話があります。一応、科学的な仮説で、確か、量子物理学が根拠になっていたかと思います。この世界に、同時にたくさんの世界が存在するという説。その真偽は兎も角、考え様によっては、それも本当かもしれません。同じ海というフィールドに、本気でやるかやらないかで、世界が違うわけですから。　でも、気持ちの持ち様で世界が変わるのは、本当だろうと思います。