第六十三話 ワンデザインレース



      
欧米では、レースを楽しむデイセーラーオーナーも多いです。一般レースへの参加もありますが、特に、同型艇によるワンデザインのレースもあります。そして、その地方によって、独自のルールを作ったりして、例えば、アレリオン28のレースですと、ジブブームがあるので、ジェネカー無しというルールだったりします。同型艇が、近くにいくつもあるので、そういう事ができるわけですが、羨ましいですね〜。 以前、ニューヨークヨットクラブが、アレリオン28を10艇同時注文した事がありました。流石ですね。多分、クラブメンバーがレースも考えて、一緒に買ったんでしょう。

残念ながら、日本では、同じモデルが近所で、たくさん集まるという事が難しい。いつか実現できれば、これまた面白い事になりそうなんですが。ワンデザインなら、レーティングなんか関係ありませんし、それこそ平等です。 ゴールした順番が、順位そのものですし、とっても解りやすいので、もっと楽しめます。

一般レースを見ますと、上位陣はだいたい同じ顔ぶれです。それに勝つ為には、もっと速いヨットを導入する事になります。それが、ヨット界に進化をもたらすというのも事実かと思いますが、ただ、なかなか一般的には難しい。しかし、同じモデルでの競争なら、腕さえあげれば、いつかは勝てる可能性が、誰にだってあります。それに、古くなっても、ずっと使えます。

従って、最近の欧米の傾向としては、比較的小型レーサーなんかは、ワンデザインのレース志向があるようです。大型艇にはクルーがたくさん必要ですが、それが少なくて済む。それと、一緒に走れば、やはりでかいレーサーには敵わない。それで、ワンデザインなら、もっとみんなが楽しめるという事だろうと思います。

それで、デイセーラーも、普段はシングル。でも、時に、友人を誘ってレースも楽しむ。いつか、日本でもデイセーラーのワンデザインレースなんかができる日が来る事を願っております。

        

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