デイセーラーのタックキングはもうこれ以上無いぐらい簡単です。だから、何度でもやれます。　　しかし、そんな簡単な事を何度やってもたいした事はありません。それで、一歩進んだ事を考えます。　まず、タッキングをする為に舵を切ります。舵板は水流を曲げて、船体の方向を変える。という事は、この時、舵は抵抗を作り、ブレーキをかけている事にもなります。という事なら、舵は大きく切ると大きなブレーキになるので、小さく切る方が良い。特に。風が弱い時はセールパワーが小さいので、できるだけ抵抗も小さい方が良いという事になります。また、風が強い時は、新しい方向にできるだけ早くセットして、そこで速く走った方が良いとも考えられます。セールパワーは強いので、もう少しだけ大きく切って、タッキングを早く終了させる。

また、風が弱い時、目標とする新しい方角にタッキングするも、タッキングでスピードが落ちているので、もう少し角度を落として、トラベラーで少しセール角度も落として、スピードをつけてから本来の角度に上るという事も考えられます。こういう事を考えますと、単純な、しかも最も簡単なタッキングでも、面白さが湧いてきます。

面白さの為に、もう少し考えますと、何故、タッキングするのか？　いつでも好きな時にタッキングしても良いんですが、そこに理由があると、自分の意図が生まれ、面白さになると思います。タッキングは目標点に対する角度稼ぎという理由がります。その目標点に対して、常に左からアプローチした方が良いか、右側からアプローチした方が良いかという問題が提議されていると思ってください。それで、最初に右側を取ったとして、風向が普通に変化します。その変化の方向が目標点に近づくならそのまま風に追随して上ります。でも、逆に、目標点から離れていく方に変化していくとしたら、左右均等の角度を越えたら、左側からアプローチした方が良いという事になります。

これらをどこまで考え、実行するかはオーナー次第です。こんな事を考えなくてもタッキングはできます。でも、セーリングはゲームですからより楽しむ方法は、ゲームを自分で作る事ではないかと思います。

さて、次はジャイブです。下りのセーリングには、できればジェネカーを使いたいと思います。それで、まずはジェネカーのセーリングに慣れる事が最初で、ジャイブはファーリングならば、一旦巻き取ってジャイブが可能なので、最初はこのセールに慣れる事を念頭に置いて、慣れたら、通常のジャイブを試みると良いと思います。

そして、シングルハンドだったら、内側回し（フォアステーの前）でセールを返すのが良いと思います。何故なら、外側回し（ジェネカーの向こう側）のジャイブであれば、風上側のシートを海面に落としかねないからです。これやると、結構面倒になりかねません。それで、内側回しなら、それを避けられます。

それで、ジャイブのポイントは、舵で風下に落としながら、シートを出していきます。そして、風上側であったシートを引いていきますが、セールのクリューがフォアステーをかわしてから舵で上り始める事です。セールが返らないうちに、上り始めると、セールが反対舷に返ってくれない事があります。これは、実際に弱い風の時に試してみて下さい。舵の操作はセールの動きに合わせないといけません。状況に関係無く、舵だけ先に切ったりしますと、うまく行きません。常に状況を見る必要があります。

取りあえず、ジェネカーセーリングに慣れて、ジャイブに慣れる事。パフォーマンスを考えるのはその後で良いと思います。もちろん、メインセールはジャイブ前に一旦メインシートを引いて、ブームを近づけ、ジャイブ後にまた出します。そうじゃないと、ブームが反対舷にすっ飛んでいきます。ジャイブはメインとジェネカーの両方を面倒見ないといけませんので、まずは、操作に慣れてしまう事が先決だと思います。