第十五話 セーリングの精度



      
取りあえずできるのと、精度を上げるのとでは同じセーリングでも質が違ってきます。操作に慣れて、ある程度感覚的セーリングができるようになったら、その後は、セーリングの精度を上げていく事を考えたら良いかと思います。

その精度は、自分の感覚がより鋭くなる必要があって、違いが解らなければならないと思います。感覚セーリングができるようになると、余裕ができますから、その余裕で、集中力を増してより多くを感じるようになれば、より繊細なセーリングをする事ができる。上手い人のセーリングは、やっぱり滑らかです。気持ちが良いです。

タックを繰り返す。目標点から変針する。上りと下りを取り混ぜで、自分でコース設定をしても良いかもしれません。そのコースをどれだけスムースに走るか? 走れるのは誰でも走れます。でも、どれだけスムースにやれるか? もちろん、友人とレースに参加する方法もあります。

より精度を上げる、これなんかはきりが無いです。風の変化は常に、何か新しい事を発見させてくれます。こういう事の中に、予期せぬような、しびれるようなセーリングを体験する事があります。より多くの知識や、技術の向上なんかは、自分の感覚を育ててくれます。同じ海域でいつもセーリングしてても、何が違ってくるかは、多分、自分の感覚が育っていくから、海や風が変わるというより、自分が変わっていく事で発見していくのかもしれません。

この滑らかなセーリングを堪能したい。その為には知識と技術が不可欠です。上手い他人の操船するヨットに乗っても、その滑らかさは自分でできるのとは雲泥の差です。自分の操船で、滑らかさを味わう。これって最高では無いでしょうか? 強風をビュンビュン走る事もあるでしょうが、面白さはそこだけでは無く、ひたすら真っ直ぐ走ってても、その滑らかさにしびれる事もあります。

もっと滑らかに。

        

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