何が面白いって、自分の個性を素直に発揮する事程楽しくて、面白い事は無いと思います。どんなヨットを選択するかは個性の表現です。そのヨットをどんな具合に使うか、どんな風に走らせるか、全て自己表現だと思います。だから、それを誰に遠慮する事無く、素直に表現できるのがヨットという極めてプライベートな遊びだと思います。

大きなサイズが好きな方、小さいヨットを好む方、そのデザイン、性能や品質、全てそのヨットを選択するという自己表現だと思います。それで、レースするか、どの程度本気か、ピクニックするか、誰とするか、セーリングに本気を出すか、どんな味わいを得たいか、それにどの様にアプローチするか、全て自己表現だと思います。他人の目を気にするのも自己表現の現れだと思いますが、いか程に楽しめるかは、どれだけ自己を自由に表現できるかかもしれません。

あるオーナーは、これからは本音で生きると言われました。我々は無意識にも世間を気にしています。それは自己を制限する事でもあり、それも自己表現のひとつと言えなくもない。でも、ヨットというプライベートな遊びは、その制限を本来は解放してくれる表現方法なんだろうと思います。

自分が気に入ったら、それが一番。それができるのがヨットなんだと思います。それを仕事の接待に使うなら、話は別ですが、そうでも無ければ、素直に自分の価値観に従う事が、本来はできるはずです。でも、習慣とは恐ろしいもので、素直になれない事もある。でも、それを解った上で、自分の個性を意識してみたらどうでしょうか？　ヨットだったら本音で遊ぶ事ができます。

マリーナを出たら、世間から切り離されます。それを求めたのがヨット。海の上では誰もが自由になれる。
その為のヨットですから、これも自由に選択したいと思います。

あるアメリカのオーナー、クルージングを散々やってきて、次にデイセーラーを造った。５５フィートもあります。このヨットはジブブームがあり、メインがブームファーリングです。兎に角、簡単操作で速いヨットが欲しかったそうで、全て油圧のボタンひとつ。これもデイセーラーです。何だか、カッコ良いヨットでデートセーリングを楽しんでる感じです。これも自由な自己表現。でかいヨットだから、でかいキャビンなんて常識は必要無い。

因みにこのヨット、SADRは３５．８もあります。相当速い。ところが、排水量は８，９００ｋｇで、そのうちバラストが５，０００ｋｇもあるので、かなり安定性が高い。こんな事ができるのもサイズメリットを充分活かしての事です。こんなの見ると、何だか、キャビンの広さなんて気にならなくなるという気分になりません？　まさしく、スーパーカーと同じ匂いがしますね。デイセーラーはスポーツカーと同じフィーリングです。

自由に自己を表現してこそ楽しめるのではないでしょうか？　だから、それをどこまでできるか？どこまで自由になれるか？