第四十話 ピクニック考



      
ピクニックと言うと、家族や友人と一緒にゆったり過ごすイメージです。この場合、ヨットや海は場面を演出する為の雰囲気作りとしての役目が強い感じがします。 それで、おしゃべりに花が咲き、飲んだり、食べたり、青い空と爽やかな風が気分を盛り上げる。

とまあ、これはこれで良いんですが、状況に応じて少し変化もつけます。 穏やかに走るだけでは無く、せっかくのヨットなんですから、セーリングの妙をゲストにも味わってもらいます。もちろん、風次第ではありますが、微軽風ならジェネカーを展開したり、中風なら快走を楽しめるし、例え強風でも、平気な顔してセールをコントロール、ゲストはキャーキャー言いながらも、安心して騒いでもらいます。

大きくヒールしたって構わない。スプレー浴びたって構わない。それらはセーリングの醍醐味でもあります。つまり、何を言いたいかと言いますと、ピクニックだからと言って、いつもおとなしく走るだけだと、ゲストだって、そのうちつまらなくなります。 実は、そういう感想をたくさん聞いてきました。セーリングって何が面白いの? 本当は、陸上とは異なる非日常、変化や感動を味わいたいんです。

できればオーナーとゲストという事では無く、みんなで一緒にヨットを走らせるという参加型のピクニックセーリングをします。舵を順番に握ってもらう。シートを出したり引いたりしてセールが動くのを見てもらい、セーリングが変わるの感じてもらう。 大きくヒールしたり、ヒールが戻ったり、失速したり、加速したり、体感してもらう。 その方が絶対面白いと思います。 それが非日常性であり、時に感動する事もある。

ピクニックの主役はオーナーでは無く、ゲストです。ゲストに如何に楽しんでもらうかを考えて、そして、普段自分が堪能しているセーリングを分かち合う為の腕の見せ所でもあります。オーナーにとっても楽しいと思います。ですから、奥さん、子供、孫、その友人達、自分の友人とその友人達、そこらで出会った人達、いろんな人に声かけて、是非、一味違うピクニックセーリンで、たくさんの人達楽しませてあげて頂きたいと思います。社交辞令では無く、心から、また載せてくださいと言わせたい。

        

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