第四十二話 毎日が日曜日



      
仕事を引退したら、やっとロングクルージングに行ける。それも悪くないですね。また、ある人は、引退してもなかなか放浪の旅に出るわけにもいかないかもしれません。いずれにしても、引退後は時間の使い方ががらりと変わってしまうので、引退前からある程度の事は考えておいた方が良いかもしれません。

引退後にヨットとどうかかわっていくか? その提案のひとつが前話の、自分のセーリングを追及していく事と自分の周りの人達を、どんどん誘って楽しませて行く事です。それにもうひとつ加えるとするなら、これまでのセーリング経験を活かしてセーリングに関する本を書くというのはいかがでしょうか?

昔から思っていた事ですが、いわゆるプロが書いたセーリングのハウツー本は、なかなか解りにくい。理論的にこうで、ああでというのは、ある程度経験を積んだ方には良いのかもしれませんが、初心者がセーリングを学び始めて、徐々に進化していくプロセスを書いた本なんかの方が解りやすいのではなかろうか? それで、長い経験を積んでこられた方が、自分史を含めた解りやすい本なんか書いてみたらどうだろうか?

こういう時はこうする。何故そうした方が良いのかの理由も含めて、初歩の初歩から、自分がたどってきた道を自分史として、またセーリングのハウツー本として、また、ストーリー仕立ての面白い読み物として書かれたら面白いのではなかろうか? どなたか、如何でしょう? 多分、売れないでしょうが。

引退後はのんびりとか考える人は多いと思います。しかし、そんなのはやがては退屈になってしまう。やっぱり、何かに一生懸命になれる方が充実感もあります。その為に再び仕事を始める人も少なくありません。のんびり、ゆったりなんかは、たまにするから良いんであって、毎日が日曜日になったら、本気で想像してみたら、ぞっとする。

        

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