ヨットがヨットである為には？　ヨットを選択する理由は？　答えは同じで、セーリングをするという事に尽きると思います。　極端な言い方かもしれませんが、セーリングをしないのであれば、必ずしもヨットである必要性は無いという事になりかねません。　そして、そのセーリングは外洋のロングか、ヨットレースか、或いは、セーリングそのもの楽しむデイセーリングか、この三つになると思います。

この中で、デイセーリングをお薦めしてきました。それは誰もが、最も頻繁に、気軽に、好きな時にできる事であり、初心者から超ベテランに至るまで、その面白さを満喫できる処にあります。そして、さらに、その専用にデザインされたデイセーラーは、そのデイセーリングをする為に専用として建造されています。

誰もが、頻繁に、気軽にできるようにするには、シングルハンドを可能にする事がより良い要素になります。　相棒やクルーをあてにする必要がありません。それでいち早く採用されたセルフタッキングジブと、シングル用にデザインされたデッキアレンジメント、さらに高い安定性が、それを容易にしてくれます。

今日のデイセーラーの出現は、丁度クルージング艇のキャビン拡大競争の時期と重なります。それで、導入初期においては苦戦を強いられるわけです。　ところが、クルージング艇が拡大していくにつれて稼働率が下がり、徐々に、それに代わってデイセーラーが広がっていきました。　アメリカのヨット雑誌は、今日の状態を見て、あのキャビンの拡大やいろんな装備は本当に必要だったのだろうか？　かつては多くのクルージング艇が頻繁にデイセーリングを楽しんでいたのに、とさえ書いています。

つまり、これは進化の現れではないかと思います。かつては、ひとつのヨットがレースもするし、クルージングもするし、デイセーリングもした。　しかし、進化は各艇の専門化を促します。　クルージング艇は旅と快適キャビンを取り、その代わりデイセーラーがセーリングを進化させてきたのだろうと思います。

何故、デイセーラーか？　簡単です。セーリングを楽しむ為に建造されているからです。　ヨットでなければならない理由があり、それがセーリングであり、そのセーリングに進化し続けているからです。　