第九十一話 緊張感を楽しむ



      
今、毎日テレビでRIOオリンピックの放映が流れています。卓球、体操、テニス、柔道、重量挙げ、陸上、水泳、レスリング、それぞれに面白さが伝わってきます。何が面白いのか? それは全てのスポーツに共通する緊張感ではないかと思います。集中した選手を見ながら、次の動きを片時も見逃さない、こちら側の緊張感。これぞ面白さの源泉ではないかと思います。だれた試合なんか見たくないし、こっちもだれてきます。

そこで自分のセーリングを考えた時、これも同じで、面白さを味わう為には、この緊張感を如何に創造できるかにかかっているのではないかと思います。仲間とピクニックに出たら、それは多分楽しさはあっても、面白さでは無い。楽しさは楽しさとして味わい、そのうえで面白さも味わいたい。

その緊張感を創造するに最も良い方法が、自分のセーリングに意識を集中させる事ではないかと思います。セールの形や角度だけで無く、船体の動き、舵から伝わる感触、こえらに全神経を集中させて走る。その緊張感が、あらゆる変化を感じ取らせてくれる。その変化を感じ取っていく事こそが面白さなのではないかと思います。

上手い下手の差では無く、今、集中して、緊張感を味わえるかどうかにかかっている。変化が解れば、その変化を今後どういう方向に向けていったら良いかもかも解ってきます。そうすると、その緊張した瞬間の面白さだけでは無く、上達していくという面白さも味わえるようになると思います。それを気軽にやれるというのが近場なんです。長距離や長時間では、なかなかそうは行かないと思います。



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