ヨットがどういう理屈で走るのかを学ぶ事は大切な事ですが、また、ヨットという世界を学ぶ事もさらに重要ではないかと思います。それは、ヨットを通じて自分の世界を創造する事になります。速い、遅い、クラシック、モダン、いろいろありますが、どれが良いかは自分が創造する世界次第。だから、面白い世界をまずは自分で想像し、創造する事が重要ではないでしょうか？

多くのヨットが動かない。それは想像力が足りないからかもしれません。セーリングはできる。でも、その先をどうするか？どうやったら、継続的な面白さを味わえるか？継続的というのは、常に進化、発展していくものでなければならないと思います。

どんなに素晴らしいヨットを手に入れたとしても、やがてはそれが普通になります。そのままなら、感動も何も無くなる。だから、せっかく手に入れた素晴らしいヨットで、何を発展させていくか？

最初はどう動かせるかに夢中になります。でも、ある程度動かせるようになったら、その先をどう発展させるか？すべてはここにかかっている。旅として発展させていくか、レースか、別荘的か、ピクニックか、本気セーリングか、自分の中にあるフィーリングは発展を通じてのみ喜ばせる事ができる。テーマは何でも良いんだろうと思います。自分の感性に合う何かを、常に発展させて、新しい何かを感じていく。それは想像から始まるのではないかと思います。

何故、面白いと感じる人とそうで無い人が居るのか？しょっちゅう動くヨットと動か無いヨットがあるのか？それはどこかにあるのでは無く、頭の中の想像にあるのではないでしょうか？ただ、近所を走っていても、頭の中はそれぞれです。セーリングしている事実は同じでも、そのセーリングに対する捉え方は違います。事実そのものには何の意味もありません。何の価値も無いと言っても良い。しかし、その捉え方によって、その事実に意味が与えられ、価値が与えられる。つまり、面白さの秘密は、想像して、創造する処にあるのではないでしょうか。そして、その想像と創造に継続的発展が与えられた時、ずっと楽しむ事ができるようになると思います。

ヨットに価値は無い。セーリングにも価値は無い。海にも、風にも、デザインにも、あらゆる物には何の価値も無い。ただ、事実があるだけです。しかし、想像はその無価値な事実に途方もない価値を創造する事ができます。だから、想像無くして面白いはずが無い。でも、その想像には、やはり事実が影響する。だから、どんなヨットであるかも大切になってきます。相互依存の関係にありますね。