第１４話 セーリング
| 走ってる間に、風が弱くなる事もある。メインセールのトラックは、左右に動かす事によって メインセールのカーブを変える事無く、風を逃がす事ができる。メインシートを出したり、引 いたりすると、セールカーブが変わります。そこで、メインシートはそのままにして、トラック のリーダーの位置を落としたり、引き上げたりすれば、カーブをくずさずにコントロールが できる。但し、ブームが中央より上に上げるのは良く無い。 風は上部の方が強いので、 リーチにひねりをつけて、上部から風を逃がしたり、取りこんだりする。メインシートを出す とブームは外側に開くだけでは無く、上にも上がる。トラックはブームは上がらずに、横移 動となる。 タックする場合は、ティラーを切って、ジェノアの裏に風が入り出したらシートを離す。そし て反対側のシートをすばやく引き、ウィンチで巻く。うまい人がやると、ウィンチを何回も 巻かずに、大きな力もかけずに、２，３回、ハンドルを回せば、ぴたっと決まる。私はまだ へたなのでそうはいきませんが、うまい人のを見ると、実に無駄が無く、きれいで、気持ち が良い。タック時もティラーは両足で挟んで、ひざの折り曲げでコントロールすれば、両手 が使えます。 横からの風や後ろからの風、それぞれに走り方があって、詳しく知らなくてもそれなりに 走れる。でも、知れば、もっと快適に走れます。セーリングの技術については、へたな私 が言葉にするより、本なんかに詳しく図入りで載ってますから、それで勉強してもらいたい と思います。最も、言いたい事は、自分の技術レベルを少しづつ上げて、より多くの快適 セーリングを自分の物にして頂きたいという事です。漫然と走っても、本当の面白さは解 らないと思うからです。 理想的には、シングルハンドで、ジェネカーまでをらくらく使いこなすまでになれると言いな と個人的には思っています。後ろから風を受けると、風と同じ方向に走る事になるので、 ちょっと物足りなくなります。顔に当る風の強さも弱まる。風が強い時は走りますが、弱い 時は、時折ジェノアがたれてくる。うまいこと開かないのです。それでこういう時にジェネカー を使えれば、スピードは上がるし、面白くなる。 こういう、言葉で書くと難しい、面倒くさい様々なコントロールも、数多く乗って、慣れてくれば うまくなる。うまくなればなる程、ヨットの動きから感じられる感覚が、非常に面白くなる。 例え、レースで無くとも、セーリングを楽しめるのです。レースをしないから、そんな事はどうで も良いと思わないで頂きたい。やっただけの充実感が返ってきます。何のスポーツでも同じ でしょう。テニスでも野球でも、うまくなればなる程、面白い感覚が返ってくる。でも、テニス も野球も、相手もうまくないといけません。でも、ヨットは自分さえうまくなれば、相手は自然 ですから、あいてはうまいもへたも無く、自分のレベルで楽しめる。そして、どんどんうまくなれ ば、どんどん面白くなる。どこまで行くかは自分次第。どこまでうまくなりたいか、どこまで充実 感を得たいかによるでしょう。 こういう遊びを楽しむなら、小型艇の方が面白いのです。ですから、まずは、最初に小型艇で シングルハンドで遊びましょう。ゲストを横に乗せても良い。自分で全部楽に操船できるように しましょう。そうしたら、ゲストは、無骨なマッチョではなくても、きれいなおねえさんでも良いの です。ペットの愛犬でも良い。もちろん、奥さんでも、子供でもOK.滑らかな、セーリングをゲスト に味わってもらいましょう。そうしたら、一辺に、ヨットが好きになるかも。 シングルハンドをマスターして、堪能できたら、後はクルーが一人確保できれば、サイズが大き くても楽々セーリングができます。でも、そのクルーが確実にいつでも一緒に乗れるクルーで 無い限り、シングルハンドで乗れるサイズまでの大きさにしておいた方が良い。奥さんがクルー なら、夫婦円満、大型サイズでも可能となる。こういう風になれば、ヨットが本当に自分の物に なり、自由自在に楽しめる。そして、年齢を重ねて、もう遠くへは行かないし、もっと気楽にセー リングしたいと思ったら、再び、小型ヨットにする。もう、ヨットは自由自在、何も考えなくても自然 に体が反応して、セーリングを楽しめる。これって、最高じゃないですか。どんなに大きなヨット を持っていようが、あたふたするセーリングより、気楽に、自由自在にコントロールできる方が はるかにかっこいいと思うんですが。 食事をゆったりしたいなら、さーっとせーリングして、ぱたぱたとしまい。レストランにでも行けば 良い。後片付けもしなくて良いし、そうは割りきれませんか？ヨットの食事はたいした物は作ら ない。ピザでも宅配でとって、ヨットで食べる。これなら、コクピットで、ピクニック気分。ちゃんと した食事で、ゆっくり、ゆったりならレストランに行く。エアコン効いてますし、楽です。 そう割りきれれば、ヨットに何でもかんでも要求する必要は無くなります。もっと、もっと気軽に なれる。この気軽さこそが、必要なのです。 |