第50話 デイセーリング

博多の夏は暑過ぎて昼間のセーリングには向かない。夏はオフシーズンだと思っています。
夏に乗るなら夕方の方が良い。九州はオールシーズン、セーリングを楽しめますが、夏の昼
間はいけません。暑過ぎて倒れてしまいそうです。でも、みなさん夏がシーズンだと思って、
夏のそれももっとも暑い時間に乗られる。日が沈みかけた夕方の1,2時間を楽しむのが良い
と思いますね。九州の夏は。

そう思って、冷たい物でもコンビニで買って、気楽に夕方からセーリングに行きましょう。一人
で、奥さんと、彼女と行きましょう。仮に彼女が一緒でも、手は借りない。コクピットに座らせて
一人で、出します。セールを上げる時はオートパイロットを使わずに、彼女にティラーを握らせて
ちょっと参加してもらいます。それで、メインを上げて、ジブを出して、滑らかにセーリングをしま
しょう。こういう時はソフトに、あまりヒールさせると二度と来なくなるといけませんから。ちょっと
落とし気味に走ります。冷えたビールでセーリングと自然を満喫します。

シングルで乗る時は、セーリングに集中します。ハードに、クローズのぎりぎりを走り、トリミング
をこまめに行います。タックを繰り返し、スピードを楽しみ、スムースな動きを楽しむ。ティラーに
伝わる波の感触を楽しみ、腕を磨く。もう一人ヨット乗りが居るなら、スピンを楽しみましょう。
ランニング、ジャイブ、あらゆる角度を楽しみましょう。緊張を楽しみましょう。

ヨットは誰と居るかで楽しみ方が違ってきます。臨機応変にいつでも楽しめるように、そうなる為
には腕が必要です。腕が無くても楽しむ事はできますが、あった方がより深く楽しめる。ヨットは
自分が進化しながら、深く入っていくものですから、いつも新鮮です。

デイセーリングは気軽なセーリングです。だからと言って、何でも機械化はしない方が良い。でき
るだけ自分の体を動かす方が良い。短い時間ですから、その方が充実してきます。工夫した所
が楽しいと思うようになる。オートパイロットを使わず、シートやショックコードでティラーを縛って
も良いし、両足の間にはさんでも良い。何でも、自分の体を動かす事でできる事なら、その方が
良い。それを嫌わず、受け入れられたら、その分楽しめます。ロングならこうは行かないかもしれ
ませんが、短い時間ですから、自分の体と感覚を十分使った方が楽しい。これはスポーツです。
スポーツは自分でやる。機械にやらせる分が多いほど、感じる事が少なくなると思います。もし、
将来、機械が発達して、全て機械でできるようになったら、テレビゲームをやってるのと大きくは
違わなくなってしまう。

デイセーリングを楽しみましょう。シングルハンドデイセーリングこそが最高に面白いと思います。
だからと言って、それしかしないわけではありません。どんなご馳走でも、毎日では飽きる。時に
はダブルで、大勢で、島に渡って、いろんな事を混ぜ合わせながら、でも、メインはシングルハンド
デイセーリングで、エキサイティングな走りを堪能してはいかがでしょうか。

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