第63話 最近の大型化

最近の新艇を見ますと、大型化しています。40フィートなんかが進水し、25フィートなんか
ほとんどと言って良いほど見ません。それで、その後、良く動いているのかと言いますと、
これがあまり動いていない。

趣味としてのヨットは、ライフスタイルの中でどれほど占めているでしょうか。ヨット以外にも
好きな趣味はあるでしょうか。それともヨットだけが唯一の趣味でしょうか。それによっても
違ってくるとは思いますが、もし、自分のライフスタイルの中で、全てとまでいかないなら、
もっと気楽なヨットにすべきではないかと思うのです。自転車やバイク感覚、さっときて、
ぴゅ〜と乗りまわして、セーリングを楽しんでしまう。スポーツ感覚です。キャビンなんて
ちょっとお茶でも飲めれば良い程度、ヨットに泊まる事も、まあ、めったに無い。ぱっと、
もやいを解き放って、自由自在に走りまわる。そして、帰ってきたら、さっと片付けて、帰る
これなどまさしく自転車のサイクリングかバイク感覚です。風を楽しんで帰ります。

こういう乗り方があっても良い。こういう乗り方なら夜間航行のライトも不要かもしれない。
夜間のキャビン照明も要らないかもしれない。船外機ならバッテリーさえ要らない。ビルジ
も心配無い。でも、セーリングに関する事は充実させます。伸びていないセール、柔らかい
シート、バックステーアジャスターはもちろん、カニンガムやフラッター等も使いこなして、
縦横無尽にセーリングします。右に左に、自由自在、そういう乗り方も実に良いと思います
よ。大きなヨットが楽だからと言われますが、近場を走るなら手軽な方が面白いです。
それに楽だからと買った大型艇、めったに乗らないなら意味が無い。それに一人では楽
では無いし、離着岸も楽では無い。ヨットは楽かどうかより、面白いかどうかです。楽という
のは面白いとは別です。楽で面白いなら一番良いですけど。

次へ       目次へ