第97話 中古艇不足

いやあ、本当に中古艇が不足しています。当社扱いの中古艇もスワン以外は全て
売れてしまいました。そして、ヤマハ31Sを掲載した途端に、数件の問い合わせが
あり、いかに不足しているかがわかります。

市場を見ますと、全国的に中古が不足しています。ここだけの話ですが、雑誌広告
には実際には無い物が出ていたり、同じヨットがあっちこっちで出ていたりするんで
す。不況とは言いながら、ヨットをほしい方は大勢おられます。当社も探してほしい
と頼まれます。ところが、遠くからでは回航費用も艇のサイズによっては、大きなウ
ェイトを占めますので、小型はできるだけ近場から見つけなければなりません。

中古市場にほしい物が無い時代が続いていますが、どこかの時点で、無いならば、
それじゃ新艇にしようか、という動きが少しづつですが出てきています。これがもっと
増えてきますと、市場は良い循環になります。中古が出る為には新艇がまず動か
なければなりません。中古が動いても、場所が変わるだけですが、新艇が出ると
日本にひとつ新たなヨットが生まれるわけですから、これは良いことです。皆さん、
予算がある方々は新艇を検討して下さい。できれば、私から?

欧米市場は相変わらずヨットが盛んに動いているようです。当社は欧米合わせて、
10社の取り扱いがありますが、どこも売れ行きは良いようです。日本市場が低迷
している事は先刻承知で、あまりうるさい事とは言ってきませんので、助かりますが
どこも大量生産では無いので、じっくり気長に待ってくれます。さすがに盛んな欧米
では中古は何万とでていますし、新艇も実に個性豊かなヨットが次々に開発されて
おり、見ているだけでも楽しいものです。以前、完全オートマチックのヨットの事は
紹介致しました。これが良いか悪いかという問題では無く、こういう開発の力がある
という事がすごいと思います。こうやりながら、その中から新しい技術が採用され、
そして一般市場に流れていく。その恩恵を我々も浴するわけですが、やはり、それに
しても、それを受け入れる土壌が無ければなりません。今、日本は長い不況で低迷
し、新しい物を受け入れる余裕が無い。新しい物とは新艇というばかりでは無く、新
しい技術や新しいコンセプトです。そうこうしているうちに、欧米はどんどん先へ進み、
日本は鎖国状態のようなものです。たかがヨットではありますが、されどという言葉も
ある通り、日本も先進国の仲間入りしただけでは無く、かなり豊かな国、それに海洋
王国でもあるのです。国民がヨットに親しむ事は良い事なのです。何故なら、ヨットは
冒険であり、創造性豊かであります。パイオニア精神を培い、国を開拓し、推し進める
精神が培われます。国民が豊かであり、パイオニア精神が豊かならば、その国の将来
は明るい。どんな困難が来ても、乗り越えるパワーがあります。国民が受動的な物を
好むようになれば、創造力は減少してしまう。

そうです。ヨットに乗ろうなんて言う人はパワーがあるからです。そのパワーをもっともっ
と増幅して、ヨットにどんどん乗って、パイオニア精神を高め、仕事に人生に、そのパワ
ーを活かして頂きたい。ヨットなんかに乗って遊んでて良いのか?良いんです。パワー
がある人しか乗れないのです。パワーある人は仕事も積極的なのです。

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