第九話 世界の造船所


      

あるデータによると、世界には、造船所又は何らかのマリン製造に関わる企業が2,845社ある。北アメリカには618社、ヨーロッパでは1,816社、アジアに207社、オセアニアに85社、アフリカに23社、南アメリカに22社。ヨットもボートも含んでます。

国別でみると、やはりアメリカで618社、次いで、イタリアに329社、オランダが290社、ドイツ210社、英国177社、フランス153社、その次が何とポーランドで94社、トルコ85社、カナダ70社、オーストラリア53社と続く。ポーランドとトルコにこれだけあるのも驚きだ。北欧ではスウェーデンが最も多く70社、東アジアではやはり台湾の34社。これでも全てを網羅していないかもしれない。

海洋王国、GDP世界第三位の日本は一体どうしたんだろう。国内需要もたくさんあってしかるべきと海外からはそう見られる。まあ、いろんな事情はあるが、日本人は舟遊びが苦手なのだろうか?ヨット拡大は望む処だが、現時点で既にあるヨットやボートが盛んに使われ、活きていか無い限り、増える事は無い様に思える。

日本ではレースかクルージングか?それ以外に価値を置いていないのかもしれない。ピクニックはすれど、それ程の価値を感じていない?キャビンはあれど、そこで過ごす事を遊びきれていない?欧米人だって、みんな旅やレース三昧やってるわけじゃない。動かないヨットも実は多い。しかし、いつもマリーナは人がうようよ居る。そう、動かさないでも楽しめるのが彼等だ。その為のキャビンでもある。彼らにとって、仕事していないという処に価値があって、遊びに何かをしなければならないわけじゃない。だから、彼らは若いうちに早期退職するのは成功者と見られる。ところが、日本人はせっかく退職したのに、暇を持て余して、仕事始める人達も少なく無い。多分、民族性の違いだろう。

日本人がそういう動かさないで楽しむのが苦手なら、何らかの活動にこそ価値を見出すのなら、デイセーリングを是非お薦めしたい。ピクニックと同じ様に手軽にできる。しかし、ピクニックとは違う、本気モードのセーリングだ。本気というのが重要で、これが価値を生み出す。ただ、ぶらぶらしているわけじゃない。しかも、手軽にできて、活動的で、面白い。これぞ、日本スタイルになるのではないかな〜?

ヨットが何であれ、目の前の海で、ピクニックとは別に本気モードのセーリングをする。本気だから、いろんな事を考え、工夫もし、学びもする。それが面白いなら夢中になれる。日本人には、ただゆったりとか、楽しむとか、そういう事はスポット的には良いんだが、それを長期間に渡ってやり続けるのには、何らかの価値を見出す必要があるのかもしれない。自分自身に成長があるような処に面白さを感じ、俄然力を発揮するのが日本人なのではなかろうか?

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