第五十話 ビヤーカン(ビール缶)レース


      

アメリカでは、カジュアルなレースをビヤーカン(ビール缶)レースと言ったりします。週末の夕方あたりから、少しソワソワし始め、仕事が終わったら、マリーナにまっしぐら。それで、夕方からスタートするレースを、ビールを片手に楽しむ。そんなカジュアルさの表現です。

レースに本気モードで挑むのもヨットですし、片手にビールでも楽しい。とは言っても、レースはレース、走る時は誰もが真剣になります。だからこそ、アフターセーリングのビールが美味い。遊びでも真剣にやった方が良いし、真剣なら、そこそこ走る方が面白い。

海外ではデイセーラーもワンデザインでやってますが、日本では数が揃わないので、一般のレースに参加します。レーティングがあるにしても、やはりクルーを従えたレーサーには敵わないかもしれないが、でも、かなり良い処を走れると思います。元々、レース目的でもありませんが。

一方、多くの方々が楽しむデイセーリングは当然ですが、短期のクルージングにしても、デイセーラーで充分こなす事ができる。ただ、キャビンに対する考え方次第です。広さや設備を考えると、本格的なロングクルージングには適さないかもしれないが、多くの方々が気軽に楽しむ範囲としては、デイセーラーで充分できる。

つまり、気軽なレースから、気軽なクルージングまでがデイセーラーの守備範囲、そして、その中心にはセーリングという核があります。これは、ホームポートを中心とした、近場でのヨットライフ全体を網羅している事になります。と言う事は、レースしますか、クルージングですか、という問いよりも、遠距離ですか、近場ですかという問いの方が現実的ではないでしょうか?近場でできる事はたくさんあると思います。

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