第八十六話 ウォータージェット式スラスター


      

気軽に出し入れできるのがヨット遊びのポイントのひとつですが、デイセーラーでもでかくなると、ご要望によってスラスターを設置する事もあります。普通はバウに大きな真横のトンネルを開けて、そこにプロペラを設置するか、リトラクタブルとして使う時だけ船底からプロペラが飛び出して来るのが一般的ですが、オランダのメーカーでウォータージェット式のがあります。

上の写真はイーグル44デイセーラー、これにウォータージェット式スラスターを設置しています。何と言っても、ハルにでかいトンネルを掘らなくて良いし、水流が吹き出す穴は直径約5cm程度。これがかなりパワフルです。

船底から海水を汲み上げて、接続されたホースから水を吐き出す。普通のプロペラ式より良いんじゃないかと思います。開ける穴は小さくて済むし、特に最近のヨットは水線から下が浅いので、トンネルなんか開けられないのがありますが、これなら浅くてもOK. バウだけでも良いし、スターンだけでも良いし、両方設置も可能。まあ、どこにだって可能です。

一般的なプロペラ式スラスターはプロペラの上にモーターがあるので、かなり高さが高くなり、内装が邪魔になる事もありますが、このタイプはモーターの設置位置を選ぶ事ができるのが有難い。さらに、プロペラが無いので、何かを巻き付けるトラブルも無い。今後、スラスターの主流になるかもしれません?

これが必要かどうかは各人、各艇に寄りますが、もし、これで気軽に出し入れできるようになれるのなら、採用決定!


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