第九十六話 フライヤー33


      

お気づきの事と思いますが、ここ最近、このヨットの写真をずっと掲載してきました。最近、最も気になるヨットです。クラシックで柔らかい雰囲気にも拘わらず、かなり高い帆走性能を持っています。気に入るかどうかの大半は見た目のデザインにあると思っています。その上で高い性能であれば文句無し。

デイセーラーの最大の特質は軽快なセーリングにあると思います。外洋艇の豪快さとはまた違うセールフィーリング、近所を頻繁に楽しむには気軽さを、飽きさせない為にはこの軽快さが必要なんです。それとデザインの美しさ、これは絶対欠かせないと思っています。

デザインはイーグルヨットのデザインも手がけたディクストラ、スーパーヨットのデザインで有名です。建造はオランダ、工法はバキュームインフュージョン、デッキ艤装の取り方も良い。セルフタッキングジブではありませんが、小さなジブですから、タッキングも楽、それぐらいの操作はしても良い。スピードの面で言えば、これ以上に速いヨットも当然あるわけですが、セーリングをオールラウンドに楽しめるヨットだと思います。

全長(ハル長):10.10m 水線長:8.05m 吃水:1.35mと1.85m(固定キール) 幅:2.66m エアードラフト:13.82m 排水量:2,700kg バラスト:1,050kg(バルブキール) バラスト比:39% セール面積:49.6u SADR:26 メインセールにはハーケンのラフトラック付き、ロッドリギンです。



そう言えば、最近はジブセールにUVカバーを縫い込まないで、写真の様にジブを巻いた後でカバーするのが増えてきています。UVカバーをセールに縫い込むとセールが重くなりますから。微軽風の時は少しでも軽い方が良いに決まってます。それとメインセールのカバーは、最近多くなってきたのがレージーバッグです。これはセーリング中にもそこにあるわけですが、収納時には便利、でも好みの問題かな?内装写真はこのひとつ前の第九十五話に掲載しています。



柔らかい、優しい雰囲気を持つクラシックデザイン、でも、速い。デイセーラーとしてかなり面白いと思います。後ろの長いオーバーハングがこのヨットのクラシック感を演出していますが、これを無駄と見るか、美しいと見るか?好みの分かれる処かもしれません。

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