第一話 大型デイセーラー


      

デイセーラーなのに、何故大型が必要なのか?と思う方もおられるでしょうが、それは必要だからではありません。ただ、大型艇のセーリングを味わいたいからであります。前に書きました通り、現実的には小型艇の方が気軽に楽しめると思いますが、今日では写真の様な大型デイセーラーなんかも世界的に受け入れられています。

デイセーラーとしての大型艇ですから、より高いパフォーマンスを味わう事ができる。しかも、パワーアシストのボタンセーリングですから、クルーの心配も必要無い。このパワーアシストのお陰もあって、セーリング好きがより求める処のヨットとして、デイセーラーの大型化が受け入れられたと思います。

セーリングはチームを組んだレーサーとしてのセーリングもありますが、高いパフォーマンスをレースとしてでは無く、気軽に味わいたいという方々も少なく無い。大きなヨットを自由自在に走らせられる快感、それは格別なものがあります。

もちろん、こんなヨットが一般的になろうはずがありませんが、ただ、こんなヨットを自由自在に操船出来たら、と思うと・・・・・。大型のクルージング艇やパワーボートなんかが日本にも進水する時代ですから、こういうでかいデイセーラーなんかが進水してもおかしくない。ところが、日本では大型艇には求める要素が違う様で、それはフル装備のクルージング艇としての大型になります。世界と比べると、まだまだセーリングに対する価値観が薄い様ですから、これは時代の熟度を待つしか無いように思えます。

それは兎も角、さすがはオランダと言いますか、小型艇から大型艇まで、いろんなデイセーラーが次々に生まれてきます。驚く事にこの造船所ではイーグル70というプランがあります。こうなるとさすがにキャビンもそれなりに広くなりますが、これとて遠くへ旅する事も可能ながら、それが本来の目的では無い。そんなのは他にいくらでもありますから、デイセーラーだからこそ価値がある。この美しいヨットが走る姿は別格です。

デイセーラーという言葉が、ある意味限定的な狭い範囲の海域を指しているような印象がありますが、実際はセーリングを特に重視した、しかも、速いだけでは無く、セーリングにおけるセーリング感覚を重視したヨットであり、キャビン重視では無い処でデイセーラーという名前がついたに過ぎません。ですから、私に言わせれば、これぞセーリングボートという名前に相応しいと思います。

ところで、上の写真のイーグル54の他、イーグル44(下の写真)とイーグル38がありますが、このうちイーグル44は日本にも進水させていますので、ご希望があれば試乗もして頂く事ができます。その際は、ご連絡頂ければと存じます。

でかいデイセーラーと言うのは他にもありますが、格別の味わいを求める特別なヨットという感じがします。でかいクルージング艇とは全く異なるヨットです。ヨットが浸透し、時が熟すれば、いろんなバリエーションが求められる様になります。デイセーラーは熟した先に求められるヨットなのかもしれません。大型デイセーラーはさらにそのまた先かもしれません。だから、熟した欧米では確実に広がりを見せています。日本はこれから、令和の時代に来るかな?


次へ       目次へ