第五十六話 フライヤー イズ バック


      

世界には大手造船所ばかりか、小さな造船所がたくさんあります。彼らは、少量生産で手間をかけ、クオリティーの高いヨットを建造します。それは対象顧客がチャータービジネスでは無く、目の肥えた個人オーナーが多いからです。

彼らの多くは家族経営の造船所が多く、超有名ブランドでも家族経営である事も少なくありません。そんな彼らの悩みのひとつが後継ぎです。現オーナーの後、家族がそのまま継いでくれれば何の問題も無いのですが、時として、残された家族が継続を諦めてしまう事もあります。そういうケースでは、残された家族が会社ごと売却してしまう事もままある事です。

写真のフライヤー33の造船所もそのひとつ。以前から目を付けてコンタクトしていましたが、オーナーが突然亡くなり、残された家族が、今後どうするかは不明という事で、状況を見守っていました処、この度、別の会社との売買契約がまとまったそうで、正式に発表が成されました。と言う事で、新会社と改めてコンタクトを取っています。

  新オーナー(左)と前オーナーの奥さん(右)
  彼なら、きっと亡き主人の意思を継いでくれる
  とコメントされました。









フライヤー33 デイセーラー、デザイナーはディクストラ、バウはモダンデザインの如く垂直に下り、スターンはクラシックの大きなオーバーハングを持ちます。詳細は後日、掲載いたしますが、モダンとクラシックが上手く融合した、ヨーロッパ艇らしいセンスの良さを感じます。アメリカンクラシックとはまた一味違いますね。



この内装のセンスも気に入っています。左舷側の背もたれが見えませんが、この背もたれは後部側にスライド移動させる事によって、広くする事ができるようになっています。ソファーの向こう側の左舷にギャレー、右舷側はトイレが隠されていますが、これにプライバシーカーテンが付きます。兎に角、良いセンスのデイセーラーだな〜と感じています。では、詳細は後日。

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