第六十八話 IWS、これゃ何だ?


      

何じゃ、このセールは?と思いますよね。スイスで開発されたこのセール、インフレーティッド・ウイング・セール(IWS)というそうで、中に空気を送り込んで膨らませてます。パラグライダーからヒントを得たそうで、飛行機もヨットも同じ理屈ですから。

理屈は今一分からない処があるんですが、曰く、通常セールより簡単操作で効率も良いらしい。まず、ハリヤードが無い、いろんなロープ類が無い、スタンディングリギンも無い、フリースタンディングのマストはどういう仕掛けか、伸縮性なんだとか。セール操作は風に対する角度調整のみだそうで、セールシエープの調整も不要だとか。

面白いのは、タッキングは通常通り舵さえ操作すれば良いわけですが、ジャイブは、セールをマスト側より前に出して反対舷に引き込む、前回り。だからとっても簡単。要はセールが360度回転するというわけです。曰く、これ以上簡単に操作できてセーリングを楽しめるヨットは無いと言ってます。

これが今後広がるかどうかは別にして、従来の考え方に捕らわれない自由な発想の成せる技、ヨット文化が根付いていないと出てきませんね。デイセーラーに割り切るとか割り切れないとか、もはや、そんな次元ではありません。彼らは、如何に楽しめる様にできるかという発想なんだろうと思います。そこは見習いたいです。

さて、エアーを抜いて行くと下の写真のようになります。マストも下がって、風船が萎んだ様な感じです。このセールが良いかどうかは別にして、彼らの遊びに対する飽くなき探求に敬意を表したいと思います。



これが今年最後のTALKです。2020年もすぐ目の前。来年はどんな年になりますでしょうか?このTALKをいつもご覧頂いている皆様へ、感謝と、2020年のご多幸をお祈り申し上げます。良いお年をお迎え下さい。
                 

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