第五十三話 艤装品の進化


      

ここ20年ぐらいの進化は、ヨットそのものもありますが、ヨットに採用される艤装品の進化によって、大きなヨットでも二人も居れば大丈夫という事もあって、ヨットサイズの大型化が進んできました。そのお陰で、大きなキャビンも手に入れられる。かつては50フィートヨットには何人も乗っていましたが、今では二人、操作はボタンという楽な操船です。

スウェーデンのアルコナヨットは、フラッグシップとなる50フィートを発表しました。このヨットはパフォーマンスクルーザーで外洋ロングにも対応しているヨット、それがオーナーさえその気なら、気軽なデイセーラーとしてだってハイパフォーマンスを楽しむ事ができます。装備的にそれが可能で、後はオーナーが50フィートという船体ボリュームに圧倒されなければ、気軽にデイセーリングを楽しめるというわけです。

ボタン操作でメインを上げて、ボタン操作でジブを開き、ボタン操作でトリミング、マリーナからの出入港を心配するならスラスターを設置します。それ以上何が要るだろうか。そしてボタン操作ではあっても、ちゃんとセーリングの妙は味わう事ができます。操作は難しい事も何とも無いが、セーリングの奥深い妙はそのまま残っていますから、楽に面白さを満喫できるという具合です。

もちろん、クルーを従えて、何人かで走らせる事もできますし、時にマニュアルで操作したいという事もあるでしょうから、それもできる。

かつて50フィートクラスに二人で乗っていた事もありますが、よく二人でやるねと声をかけられたものですが、今ではそれも普通になってきました。場合によってはシングルだって可能にする人も出てくるかもしれませんね。実は、ヨーロッパで、バウスラスターとスターンスラスター等をリモコンで操作するという艤装品も出てきています。それなら、ヨットのどこからでも、桟橋からでも操作可能になって、50フィートをシングルでも楽々こなせるかもしれませんね。そうなると、もはやシングルハンドという言葉は要らなくなるかもしれません。

  リモコン操作
  DOCKMATE:
   https://www.dockmate.eu/


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