第六十二話 最低10年という関わり


      

一旦ヨットを始めたら、最低でも10年ぐらいは続けていくかと思います。この10年をどう創っていけるかがポイントですが、だらだらと、何となく過ごしていったら、10年なんて案外あっという間、一体何をしてきたのだろうと思うようになるかもしれません。そこで、最初が肝心、前話の自由自在を早い時期に獲得しておけば、その後の広がりはセーリングでもクルージングでも、自由自在感を満喫しながら創造していく事ができると思います。

他人のヨットはどうでも良い、自分のヨットだけには自由自在となる。そうすると、操船ばかりか、メインテナンスの方にも気が向いて、自分でやるか、業者にやってもらうかにしても、より詳しくなって、それがまた自由自在感を増加させていくと思います。そのヨットは確かに自分の物ではありますが、それ以上に、感覚的に、本当に自分の物と感じてくると思います。

操船が自由になり、装備品についても理解し、船内装備についても充分使えるようになれば、後は、それらを使って自由自在に思う存分楽しむ事ができるようになれる。 もちろん、十分理解しとは言っても、何もエンジンの構造とか、電気設備の詳細とか、プロじゃ無いんですから、そこまで必要無いかもしれませんが、基本的な事、エンジンなら海水冷却とか関節冷却とか、インペラとかベルトとか、オルタネーターでバッテリー充電するとか、陸電があれば、陸電からのバッテリーチャージャーがあれば、どういう使い方をするとか、清水にしても、電動ポンプであれば、水圧が高まったら自動的に停止しますが、いつまでも停止しない時は、どこかで水漏れがあるか、タンクが空とか、基本的な部分です。そういう使い方を理解していれば、実際に乗る時にも安心して、楽しめます。旅であろうが、セーリングであろうが。上手いとか下手とかの問題では無く、自由自在なのです。

ところで、シングルをお考えなら、特にクルージング艇の場合、大きなヨットは、たくさんの装備が設置されていますから、電動ウィンチやスラスター等を駆使してシングルで操船できるにしても、その大きなヨットの多くの装備を理解するのは、結構大変です。毎日乗るならまだしも、たま〜になら、前回使っても忘れている事もあります。あのスイッチどこだっけとか、どう使うんだっけとか・・・・・。 それで、シングルならやっぱり30フィート前後ぐらいかな? この点、デイセーラーの大きなヨットは、やっぱり船内装備はたくさんはありません。ですから、シングルでも理解しやすい。まあ、二人以上居れば大きなクルージング艇でもいけるとは思います。

自由自在だからこそ、ちょっとした時間にでも、気軽に出せるし、誰を誘っても気軽に出せる。セーリングだって、旅だって、泊りだって、何だって、別に躊躇する事は無くなります。また、逆に、時化た時に出さない判断だってできます。自由に使えると、自由に遊べるという事になります。この先のヨットライフが変わりますね。自分のヨットに自由自在です。

それで、自由になったら、旅にしても、セーリングにしても、学ぶべき事はまだまだたくさんありますが、そんなものは、遊びながら覚える事ができます。なるほど、こういう事か、なんて事が楽しめるんじゃないでしょうか。遊びながら、上手くもなれる。 今、自由があるから、上達は早いですよね。自由になりたいと求めるのは、今は自由じゃ無いからです。自由になったら、その先の事しか考えない。どう遊ぶか?

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