第八十九話 主流はセールドライブ

      


今日、デイセーラーに限らずエンジンはセールドライブが主流になってきました。昔はドライブが船底を貫通しているので相応の穴があくわけですから、それが心配でもありました。しかし、実績を見続けていくと、そんな心配も不要という事が解ってきた。そして、セールドライブのメリットが採用されてきました。

まず、シャフトドライブのようにスタンチューブからの水漏れが無いという事。これは本当に助かります。シャフト船でも水漏れが無い様にするスタンチューブがありますが、これはそこで船内に入るのを止めているだけで、何か不具合(ゴミをかんだとか)があれば漏れてくる事もあります。その点、セールドライブはそういう心配もありません。と言っても未来永劫に漏れが無いわけではありませんが、ドライブマウントのゴムは紫外線が当たらないからか長持ちですね。

メリットは他にもあって、ドライブはエンジンと一体になって、いわゆるプロペラまで直線性を出す必要が無い、シャフト船より静か、プロペラは船体と平行なので推進効率も良い。シャフト船は船体に対して斜めにシャフトが出てます。これらを考えるとセールドライブが主流になっていくのは解ります。

一方、欧米で徐々に増えているのがエレクトリックモーターです。そのセールドライブもあります。このメリットは確かにあって、燃料がバッテリー、エンジンオイルなんか不要、静か、等々ですが、問題はバッテリー充電をどうするか? ホームポートで陸電を通じて充電ができますが、何処かに行った先で充電ができるかどうかは解りません。仮に充電ができても、かなりの時間を要するのではないかと思います。それに、陸電が無いマリーナもまだまだあります。陸電があればデイセーリングには良いかもしれません。

一部、ソーラーパネル(柔らかい物)をセールに貼り付けたヨットもあります。いろいろ難点はあっても、それに対するいろんな開発もされていきます。セーリング中にプロペラを回転させてバッテリー充電をするというのもあります。どれだけ充電できるか解りませんが、こういう試行錯誤によって、いつかはエレクトリックが主流になっていくんだろうな〜と思います。ヨットに限らず、世界中がそういう方向に向かっています。でも、まだまだ、当分の主流はディーゼルセールドライブという事だと思います。

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