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写真はオランダのデイセーラーイーグル46で、現在建造中、9月のカンヌヨットフェスティバルに出品予定です。残念ながらまだ完成写真が届いておりませんが楽しみです。46フィートでデイセーラー、前後の大きなオーバーハングは実に印象深く、考えてみればその分だけ水線長が短くなりますし、キャビンの広さもその分狭くなります。でも、良いんです。遊びだもん。
キャビンが広くて居住性が高いヨットは今時いくらでもあります。そんな処に価値を置いていない。このクラシック感を強く印象づけるデザインは永遠の美しさを放つのではないでしょうか。ヨットは車と違って何十年、或いは100年だって乗り続ける事ができるかもしれません。その100年後にも美しさは衰えない。それがクラシックデザインの良い処なのだろうと思います。しかも、ただのクラシックデザインというわけでは無く、何だか洗練された感じがしませんか?
ヨットには性能と機能が重要である事には違いないのですが、たとえ高い性能や機能を持っていたとしてもそれだけが魅力として見えるわけではありません。何故ならヨットは遊びだからです。遊びは感覚でありその我々の感覚をいかに高めていけるか。その重要なポイントは美しさだと思います。
このヨットの幅は3.03mしかありません。今時の沿岸用クルージング艇なら4m以上あります。という事はそれだけキャビンが狭いという事になります。ただ、誰でも広いキャビンが良いと考えるわけではありません。これらは全く異なるコンセプトのもとデザインされ建造されているという事になります。広いキャビン、広いコクピット、そこにはテーブルがあってビミニがあってドジャーがある。そんなヨットは旅を快適に演出してくれる。でも、イーグル46はそんな事では無く、セーリングの快適性、シングルでの操作性、気軽さ、美しさが魅力です。どちらが良いかと考えるのは正しく無くて、自分の遊びにどっちが合うか?その見極めが大切になります。
イーグル46は性能を求めています。でも、レーサーを目指すわけでは無くて走らせて面白いヨット、プロで無くてもアマチュアが楽に操船でき速いヨット、キャビンの居住性という意味ではクルージング艇には敵わない。でも、気軽に出せて走らせてセーリングをスポーツして面白いヨット。旅を目的としたヨットではありません。セーリングそのものを楽しく、面白く、それがイーグルヨットです。
実は同じデザインで船体をオールカーボンで建造するモデルと他のモデルと同じFRPモデルと2種類建造します。面白いですね。建造する造船所の遊び心と自分の遊び心が合えば最高になると思います。
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