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デイセーリングは如何なる種類の如何なるサイズのヨットでも、そして初心者でもベテランでも誰でも出来る基本的な遊びと言えます。しかも、ひとりでも大人数でも楽しめる。こんなのは他には無いんです。ところが誰でも出来るから誰も重視しない。いつも遠い海に憧れる。それは間違いとは言わないもののちょっと視点を変えた方が良いのではなかろうか?
もし、遠い海から近場に目を向けたら何が解るかと言いますと海が身近になり、ヨットが身近になり、遊びが身近になり、セーリングが身近になり、友人や家族を気軽に誘えて、要は何でもできるようになります。こんな気軽さをヨット遊びの基本に据えておく事は重要で、年に一回遠くに行くより近くで何十回でも遊べる方が楽しめる。要は遠くに行っても良いが、主は近場に置く。単なる意識の違いかもしれませんが、でも大きな違いになります。
多くの方々がいつかは日本一周とか沖縄とかへのクルージングの旅を夢見られる。それは良い事ではありますが、もし一度行けばその後何度も行く事は無いでしょう。或いは、沖縄以外のどこかに行く。それも良い。毎年あっちこっちへの遠い旅をされる方もおられると思います。しかし、それでも年間の旅の日数はそう多くは無い。多くの日数はやはりホームポートに居るわけで、そのホームポートに居る期間が長ければ長い程、その期間をどうするか? まして殆どを近場で過ごす方の方が圧倒的に多いと思います。要は遠くを主とするか近場を主とするか?
あるオーナーですが、年一回1,2ヶ月ぐらい旅にでて帰ってこない。毎年です。それでも普段はデイセーリングを楽しんでおられた。ロ―カルの誰でも参加できるレースも楽しんでおられた。しかも、基本シングルです。彼は自分でメインテナンスしたり工夫したりもして楽しんでありました。それが彼の遊び方、何も常識にこだわる事無く自由に好きな様に楽しんでありました。
近場で過ごす事が多い忙しい方々がやはりそれでも充実した面白いヨットライフを考えた時、如何に近場を面白くするかを考えた方が良い。遠くへは行けるようになってから行けば良い。それができないなら今は遠くよりの前です。そして案外やり方によっては近場の方が楽しめるかもしれません。
今持っているヨットで近場を楽しむ。そのヨットがクルージング艇でもパフォーマンス艇でも構わない。でっかくても小さくても構わない。如何なるヨットであろうが気軽に出せるようにしておく事が重要です。 かつて53フィートのヨットを二人でほぼ毎日出していた事があります。慣れれば気軽に出せるようになります。乗れば乗る程気軽になれる。
それで何するかと言うと誰もが思いつくのがピクニックセーリングです。これは是非やって頂きたい。家族や友人達をできるだけ何回も誘って、但しただ飲み食いとおしゃべりだけでは飽きてきますのでセーリングの妙を味合わせてあげる。舵を持たせ、シートを引かせ、ウィンチを回してもらい、全員で一緒に走らせる気分を味わってもらう。ゲストだってただ走ってるヨットに乗っかってるだけでは無く自分達で走らせるという方が断然面白さを味わってもらえると思います。
ピクニック以外ではシングルかでかいヨットならクルーが居ると思いますが、その時は真剣に走らせる。ピクニックの時より集中して舵を取り、セール操作をします。バングやバックステーアジャスター、トラベラー等々の操作を含めてピクニックとは違う集中力を発揮したセーリングです。 実際やってみると、自分で考えて走らせますからいろんな疑問とか頭に浮かんできます。その疑問を解くにはどうしたら良いか?考えて試す。いわゆるこれは自分で創造するゲームです。真剣にやれば面白くないはずはありません。
そして上記二つの間に望めば旅もできます。一泊とか二泊とかお好きに。そしてもうひとつピクニックでも無く、真剣セーリングでも無く、旅でも無く、ただ無心に流すようにただセーリングを感じる。特別になにもしないでゆったり流すでも良いし、音楽を流しながらでも、ただ無心にでも。こういうのはシングルハンドが良いかな?
何をしようが自由ですが、何か変化を求め追いかける何か?を持つとその変化に対して自分のレベルが上がっていく様子が解ってきます。それが面白い。何をするにも何かひとつそんな変化を求める事を主においておくと良いと思います。
近場と言えども何でもあります。当たり前です。海があるんですから。唯一無いのがあるとしたら長い、長い旅というプロセスだけです。それ以外は何でもある。だからデイセーリングを堪能して乗りこなして行けば、いつか遠くへ旅するにしてもハードルは低いわけです。
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